利物(読み)リモツ

デジタル大辞泉 「利物」の意味・読み・例文・類語

り‐もつ【利物】

《「物」は一切衆生の意》仏語衆生利益りやくを与えること。人々を救うこと。
利益。もうけ。〈日葡

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「利物」の意味・読み・例文・類語

り‐もつ【利物】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「もつ」は「物」の慣用音 )
  2. 他人に物品・金銭を貸して取る利息と、その貸した物。元利。〔令義解(718)〕
  3. 利益。もうけ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  4. ( 「物」は一切衆生の意 ) 仏語。衆生を利益(りやく)すること。
    1. [初出の実例]「智鏡処心、无縁則闕利物之力」(出典性霊集‐七(835頃)和命婦於法華寺奉入千灯料田願文)

きき‐もの【利物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 流行している物。はやっているもの。
    1. [初出の実例]「をのづから仏の座具や花莚〈頼広〉 売すそや利物の終り仏の座〈如春〉」(出典:俳諧・ゆめみ草(1656)春)
  3. ( 利きの良いものの意 ) 高級酒。上等酒。
    1. [初出の実例]「灘の利物(キキモノ)を遣ひます」(出典:歌舞伎勧善懲悪覗機関村井長庵)(1862)五幕)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android