(読み)コク

デジタル大辞泉 「剋」の意味・読み・例文・類語

こく【剋】[漢字項目]

[音]コク(呉)(漢) [訓]かつ
(「」と通用)耐え抜いて打ちかつ。「相剋
(「」と通用)きびしい。むごい。「剋薄」
[補説]「尅」は俗字

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「剋」の読み・字形・画数・意味


9画

(異体字)尅
10画

[字音] コク
[字訓] きざむ・かつ

[字形] 形声
声符は克(こく)。克は刻木の器。上部は把手、下部は曲刀の形。克の古文は穴をあけるときの刻鑿(こくさく)の器の形に作る。克が剋の初文。克を克能・克己のように用いるようになり、刀を加えた剋が作られた。克と通用することが多い。尅はその俗字である。

[訓義]
1. きざむ、きざみつける、けずる、ほる。
2. 克と通じ、よくする、かつ、うちかつ、たえる。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕剋 ハタス・ツトム・カツ・ヨク・セム・カナフ・キザム・キザス・カナラズ・ネムコロ・スクル・タシカニ・チカシ・クヒシバル 〔字鏡集〕剋 ネムコロ・タシカニ・クワダツ・トク・ツトム・ハタス・ヲリ・トキ・ヨクス・タチマチ・タタカフ・スグル・カナラズ・セム・キザム・カナフ・チカシ・(クヒ)シバル・ヨク・カツ・ヨシ・チギル・スグレ(タリ)・キザス・マコト・クヒ

[語系]
剋・克・(刻)khkは同声。克・剋は克により、は刻鑿によるが、いずれもほりこむことにおいて同じ。もと同系の語である。

[熟語]
剋意剋害・剋核・剋画剋獲剋扞剋陥・剋期剋己剋躬剋苦・剋減剋扣・剋殺・剋日・剋勝・剋食・剋心・剋制・剋石剋責剋殲剋択剋黜・剋定剋殄・剋・剋薄剋剝剋伐剋臂・剋復・剋服剋勉剋俸剋滅剋励
[下接語]
忌剋・倹剋・厳剋

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

占い用語集 「剋」の解説

「木」・「火」・「土」・「金」・「水」で成り立つ五行の中で、互いを攻撃しあう関係を指す。木は土から養分を奪い(木剋土)、土は水を塞き止め(土剋水)、水は火を消し(水剋火)、火は金を溶かし(火剋金)、金は木を切り倒す(金剋木)という関係。

出典 占い学校 アカデメイア・カレッジ占い用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【駅鈴】より

…日本古代の駅伝制で公務出張者や公文書伝送の駅使らに駅馬利用の資格証明として貸与された鈴。駅鈴には身分によって利用しうる駅馬の頭数を示した剋(こく)という刻みがあったといい,親王・一位に10剋,二~三位に8剋,四位に6剋,五位に5剋,六~八位に3剋,初位以下に2剋の駅鈴が貸与されるが,隠岐国造(おきのくにのみやつこ)家に伝わる八稜鈴には刻みがないので正しいものか否か問題になっている。あるいは大和朝廷時代から律令時代初期までは実際に刻みがあり,やがて刻みをやめて剋数を記した書類を添付することにした可能性がある。…

※「剋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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