前代未聞(読み)ゼンダイミモン

デジタル大辞泉の解説

今までに一度もいたことがないこと。非常に珍しいこと、程度のはなはだしいことにいう。「前代未聞の大事件」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (「せんだいみもん」とも) これまでに、まだ一度も耳にしたことがないような変わった珍しいこと。前代。先代未聞。
※興福寺牒状‐建久九年(1198)一一月一日・興福寺牒状「神民凌礫粗雖其例、御榊焼失前代未聞」
※太平記(14C後)一一「遁れぬ命を捨てかねて、縲紲面縛(るいせつめんはく)の有様、前代未聞(ミモン)の恥辱也」

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四字熟語を知る辞典の解説

これまでに一度も耳にしたことがないような変わった珍しいこと。

[使用例] フム。女の人が、このコートを踏むのは前代未聞だね。昔ならコートの汚れになると騒ぐところだが、しかしぼくは民主主義を尊重するよ[石坂洋次郎*青い山脈|1947]

[使用例] 爪の先はまっ黒で、これはどうやらものすごばいきんせいそく地と思われ、間違って煎じて飲んだら前代未聞の腹痛に悩まされそうに不潔この上ない[井上ひさし*モッキンポット師の後始末|1972]

[使用例] 当時、J N Nを使うのは報道番組だけであり、音楽番組に大型中継車を使うのは前代聞のことだった。それもたった3分の歌のために[山田修爾*ザ・ベストテン|2008]

[解説] 漢文訓読式には「前代にいまだ聞かず」となります。これまで聞いたことがないほどだ、ということです。
 漢文としては特別の言い回しではなく、たとえば唐代の「陳書」では「功業ぼうせい、前代未聞」(=元帝の功績が大きかったことは前代未聞である)のように使われています。日本の古典でも、すでに鎌倉時代から例が現れます。
 意味は「聞いたことがないほど珍しい」と考えておけば十分です。ところが、近年、このことばは「不祥事など、悪いことが起きた場合に使うのが普通」などと言う人がいます。極端な例として、「前代未聞」をいい意味で使った文を誤りとしたクイズ番組もありました。
 実際には、「前代未聞」はいい場合、悪い場合を問わず使われます。右の「陳書」はいい場合の例であり、[青い山脈][ザ・ベストテン]の文章も、積極的な意味合いで使っている例です。ことばの意味を考えるにあたっては、いろいろな実例をよく観察すべきです。

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