朝日日本歴史人物事典 「前田利次」の解説
前田利次
生年:元和3.4.29(1617.6.2)
江戸時代の外様大名。越中国富山藩(富山市)初代藩主。前田利常の次男,母は徳川秀忠の娘珠姫。寛永16(1639)年金沢藩主前田光高の襲封のとき,父利常の遺領のうち越中国婦負,新川両郡および加賀国能美郡のうちで10万石を分与され,百塚(富山市)に居所を構える。万治3(1660)年富山(富山市)に移り,翌寛文1(1661)年天守および櫓堀などの造営を幕府より許される。富山藩初代として藩の基礎固めに尽くし,富山城下町の整備を行う一方,金沢本藩に倣う法令の整備や農政としての改作仕法も整備し,明暦1(1655)年には領内一斉に村御印を交付している。
(和泉清司)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報