一般に,正規の勤番に加勢して城などの警備にあたる者。江戸幕府では大坂城と駿府城におかれた。大坂加番は大名役で,山里・中小屋・青屋口・雁木坂の4加番からなり,毎年8月に交代し,勤番中合力米が支給された。駿府加番は万石以上の大加番1人,5000石以上の寄合から選任された平加番2人の3人からなり,毎年9月に交代し,役扶持が与えられた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…正規の勤番に加勢して城郭などを警備する者を加番という。江戸幕府では大坂城と駿府城とに城代,定番,在番に添えて加番が置かれた。…
…城番は城により人数に多少があり,臨時の砦などには城代を置かず,城番のみ配置されることもあった。一定期間交替せず警備に当たる城番を〈定番(じようばん)〉,城番が不足のときそれをたすけるものを〈加番(かばん)〉といった。【根岸 茂夫】。…
…例えば1681年(天和1)越後高田城の請取役を命じられた表高(領知朱印高)10万石の越中富山藩主前田正甫(まさとし)は7万石の役高で勤めるよう指示され,105人分の扶持米を受け取っている。また毎年交代で大坂城を守衛する大坂加番役の場合,はじめは大名の領知高に応じて役高が決められていたが,1746年(延享3)に四つの部署ごとに役高が定められ,合計6万5000石に固定された。加番大名には役高の四つ物成(よつものなり)(4割)の合力米が支給されていた。…
※「加番」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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