労働力需給の引き締まり(読み)ろうどうりょくじゅきゅうのひきしまり(その他表記)tightening of labor supply

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「労働力需給の引き締まり」の意味・わかりやすい解説

労働力需給の引き締まり
ろうどうりょくじゅきゅうのひきしまり
tightening of labor supply

1980年代の後半から 90年代前半の長期景気拡大が続く中で,労働力需給は引き締まり基調が続いた。有効求人倍率は 88年半ばに1倍を超え,90年7~9月期には 1.45倍と,74年1~3月期以来の高い水準となった。完全失業率も 87年には一時3%台を記録したものの,その後低下傾向で推移し,90年7~9月期には 2.1%と,80~81年ごろの水準に達した。こうした労働力需給の引き締まりの背景としては,景気拡大が長期にわたったこと,しかも内需主導型の成長のため雇用需要が強いことなどがあげられるが,それ以上に重要なのは産業職種年齢などの労働力需給のミスマッチが存在していることである。今後はこうしたミスマッチを解消するための有効な手段を講じる必要があろう。

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