北中城(読み)きたなかぐすく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「北中城」の意味・わかりやすい解説

北中城(村)
きたなかぐすく

沖縄県、沖縄本島南部の中城湾(なかぐすくわん)に面する村。中頭郡(なかがみぐん)に属する。1946年(昭和21)中城村から分立。中城湾に面する海岸一帯は肥沃(ひよく)な沖積低地で、ほかは丘陵状の地形。中城湾に沿って国道329号、村の西側は330号、その間を沖縄自動車道が走る。第二次世界大戦前は純農村で、移民の多い村。現在、農業が主で、サトウキビを中心に野菜、花卉(かき)栽培が盛んである。村域の14.2%(2022)がアメリカ軍基地。国指定史跡の中城城跡(2000年、世界遺産に登録)や荻堂貝塚(おぎどうかいづか)、国指定重要文化財の中村家住宅がある。面積11.54平方キロメートル、人口1万7969(2020)。

堂前亮平]

『安里永太郎編『北中城村史』(1970・北中城村)』『『北中城村史』全6巻(1996~ ・北中城村)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「北中城」の意味・わかりやすい解説

北中城[村] (きたなかぐすく)

沖縄県中頭(なかがみ)郡の村。沖縄島(本島)中南部に位置し,東は中城湾に面する。第2次世界大戦まで中城村の一部であったが,戦後アメリカ軍の施設によって村が南北に分断されたため,1946年分離した。人口1万5951(2010)。中城湾に面する海岸一帯は肥沃な沖積低地で,背後は丘陵状の地形を呈する。第2次大戦前は純農村,またハワイ,ペルー,ブラジルなどへの移民の多い村として知られた。村面積の19%はアメリカ軍基地キャンプ瑞慶覧(ずけらん)が占めている。現在も農業が主で,サトウキビ,野菜,花卉栽培が行われる。沖縄自動車道のインターチェンジがある。護佐丸が15世紀に築城した中城城跡(史)が中城村にまたがってあるほか,沖縄の民家を代表する中村家住宅(重要文化財),沖縄最古の貝塚といわれる荻堂貝塚(史)があり,民俗芸能として南島踊が知られる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android