日本大百科全書(ニッポニカ) 「中城城」の意味・わかりやすい解説
中城城
なかぐすくじょう
沖縄県中頭郡(なかがみぐん)中城村と北中城村の村境にある城跡。護佐丸(ごさまる)が1440年(永享12)ごろに築造したと伝わるが、正確にはそれ以前からすでに存在した城に彼が増築の手を加えたもの、というのが真相らしい。護佐丸はこの城を拠点に勢力を広げたが、1458年(長禄2)ライバル阿麻和利(あまわり)により滅ぼされたという。曲線を描く城壁と美しい拱門(きょうもん)(アーチ型の門)がよく保存されており、1853年(嘉永6)にこの城跡を見学したペリー提督派遣の調査隊もその築城技術を絶賛している。近世には中城間切(まぎり)(行政区画)の番所(ばんじょ)(役所)が城内に置かれた。周辺は中城、北中城両村によって運営される中城公園となっており、県内有数の行楽地となっている。国指定史跡(1972)。2000年(平成12)琉球(りゅうきゅう)地方の独特な文化遺産を対象に「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」が世界遺産の文化遺産に登録されており、登録遺産群9か所のうちの一つに含まれている(世界文化遺産)。
[高良倉吉]