北畠具行(読み)きたばたけ・ともゆき

朝日日本歴史人物事典 「北畠具行」の解説

北畠具行

没年正慶1/元弘2.6.19(1332.7.12)
生年正応3(1290)
鎌倉時代末期の公卿鎌倉幕府を倒そうとした後醍醐天皇側近のひとり。右中将北畠師行の子。嘉暦1(1326)年2月参議,元徳2(1330)年8月権中納言に昇進した。この間,後醍醐天皇綸旨を奉じるなど同天皇腹心として動いており,具行の官位昇進もこれと表裏の関係にあった。具行は笙をよく奏したらしい。元弘1(1331)年8月後醍醐天皇が南山城笠置(京都府)に出奔したとき,これに随従。まもなく鎌倉幕府軍との戦で笠置は陥落,9月天皇と共に幕府軍に捕らえられた(元弘の乱)。同2年4月斬罪と決し,鎌倉に移送される途中,近江国(滋賀県)柏原にて幕府の指示により佐々木導誉によって斬られた。

(森茂暁)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「北畠具行」の解説

北畠具行 きたばたけ-ともゆき

1290-1332 鎌倉時代の公卿(くぎょう)。
正応(しょうおう)3年生まれ。北畠師行(もろゆき)の子。従二位,権(ごんの)中納言。後醍醐(ごだいご)天皇の側近として日野俊基(としもと)らと鎌倉幕府追討を計画。元弘(げんこう)の乱で捕らえられ,正慶(しょうきょう)元=元弘2年6月19日,鎌倉に護送される途中,近江(おうみ)(滋賀県)柏原で佐々木高氏に処刑された。歌人としても知られた。43歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北畠具行」の意味・わかりやすい解説

北畠具行
きたばたけともゆき

[生]正応3(1290)
[没]元弘2=正慶1(1332).6.19. 近江,柏原
鎌倉時代末期の公卿。権中納言。師行の子。後醍醐天皇の討幕計画に参加して幕府に捕えられ,鎌倉に護送の途中佐々木高氏 (→佐々木道誉 ) に殺された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android