朝日日本歴史人物事典 「北畠具行」の解説
北畠具行
生年:正応3(1290)
鎌倉時代末期の公卿。鎌倉幕府を倒そうとした後醍醐天皇の側近のひとり。右中将北畠師行の子。嘉暦1(1326)年2月参議,元徳2(1330)年8月権中納言に昇進した。この間,後醍醐天皇の綸旨を奉じるなど同天皇の腹心として動いており,具行の官位昇進もこれと表裏の関係にあった。具行は笙をよく奏したらしい。元弘1(1331)年8月後醍醐天皇が南山城の笠置(京都府)に出奔したとき,これに随従。まもなく鎌倉幕府軍との戦で笠置は陥落,9月天皇と共に幕府軍に捕らえられた(元弘の乱)。同2年4月斬罪と決し,鎌倉に移送される途中,近江国(滋賀県)柏原にて幕府の指示により佐々木導誉によって斬られた。
(森茂暁)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報