匹如(読み)するすみ

精選版 日本国語大辞典 「匹如」の意味・読み・例文・類語

するすみ【匹如・匹如身】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 親族縁者がなくただ一人であること。とらわれるものがなく、身軽であること。無一物なこと。また、そのさま。するつみ。するつむ。するつび。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「人の一物も持たず、手うちふれるをば、するすみと云ふ」(出典:梵舜本沙石集(1283)四)

匹如の補助注記

( 1 )「スルスル身(=ツルツルの身)」すなわち裸一貫で何も持たないかたちを表音的に表わした語、「捨つる身」の変化した語、「磨臼身(するすみ)」の意からとする説、「磨住」ですべてをなくしてしまって生活している意などともいわれるが語源未詳。
( 2 )匹如身」と書くのは、「白氏文集‐二七・偶吟二首」の中の、「匹如身後何事」の「匹如身」を「するすみ」と訓読したことによる。


するつび【匹如】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) =するすみ(匹如)
    1. [初出の実例]「我が子一切義成、家を捨て学を修す。孤(スルツヒ)(〈注〉ヒトリ)山沢に遊び独り林藪に処(を)り」(出典:大唐西域記長寛元年点(1163)七)

するつみ【匹如】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) =するすみ(匹如)
    1. [初出の実例]「匹如 スルツミ」(出典:観智院本名義抄(1241))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「匹如」の読み・字形・画数・意味

【匹如】ひつじよ

たとえば。おしなべて。唐・白居易〔偶吟、二首、一〕詩 匹如(おしなべ)て身後に何事からん 應(まさ)に人(じんかん)に向ひて求むる無かるべし

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