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白氏文集 はくしもんじゅうBai-shi wen-ji

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

白氏文集
はくしもんじゅう
Bai-shi wen-ji

中国,中唐の詩人白居易の詩文集。 71巻。白居易がみずから編集したもので,唐代の個人の集としては最大。日本には平安時代,成立とほぼ同時に入唐僧によって写本が伝えられ,『文選 (もんぜん) 』とともに愛読された。

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デジタル大辞泉の解説

はくしもんじゅう〔ハクシモンジフ〕【白氏文集】

唐の白居易の詩文集。元稹(げんしん)編の「白氏長慶集」50巻(824年成立)に自撰の後集20巻、続後集5巻を加えたもの。現本は71巻と目録1巻。日本には平安時代に伝来し、「文集(もんじゅう)」と称され、愛読された。

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世界大百科事典 第2版の解説

はくしもんじゅう【白氏文集 Bái shì wén jí】

中国,中唐の文学者白居易の詩文集。前集50巻,後集25巻,すべて75巻から成る。ただし現存の集は4巻を欠き,71巻。前集は《白氏長慶集》,後集がすなわち《白氏文集》で,両者を《白氏文集》と総称する。前集は824年(長慶4)に親友の元稹(げんしん)が編纂したもので,詩を諷諭,閑適,感傷,律詩の順序に分類配列して,そのあとに賦と散文を収める。著名な〈新楽府(しんがふ)〉は諷諭に,《長恨歌》《琵琶行》は感傷に属する。

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大辞林 第三版の解説

はくしもんじゅう【白氏文集】

〔「はくしぶんしゅう」とも〕
中国、白居易の詩文集。もと七五巻(七一巻が現存)。前集五〇巻(824年成立)は元稹げんしんの編。後集二〇巻・続後集五巻は白居易自身の編。前集が長慶年間に編集されたので、「白氏文集」全体を「白氏長慶集」ということもある。日本でも平安時代に広く読まれ、以後の文学に大きな影響を与えた。文集。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

白氏文集
はくしもんじゅう

白居易(はくきょい)の詩文集。『白氏長慶集』に後集等を含めた全集をいう。72巻。ただしもとは75巻、3840首。いまは末尾を失うが、詩歌だけでもほぼ2900首を存する。この数量は唐一代を圧する。その多産性は、長い制作時期、文学への熱情、「眼前の景、口頭の語」という文学質による。編集は当時にたぐい少ない自撰(じせん)であり、自らの文学意識に基づいている。やがて中国、朝鮮、さらに日本でも印行され、いわゆる漢字文化圏を通じて歌声を響かせ、欧米でも翻訳によって読み続けられている。ことに日本では白氏在世中、入唐(にっとう)僧慧蕚(えがく)が写本をもたらし、菅(かん)・江両博士家に継がれ、それらの集団に影響し、知識人の教養書とみなされた。また『句題和歌』『千載(せんざい)佳句』を通じて、歌壇に示唆を与えた。『枕草子(まくらのそうし)』では「書(ふみ)は文集、文選(もんぜん)」といわれ、そのまま『源氏物語』『新古今和歌集』などに色濃く投影し、やがて謡曲、軍記、物語、俳句、川柳(せんりゅう)にも及んだ。
 本文の信頼しうるのは、改編本ではあるが、南宋(なんそう)初年に刊行された紹興(しょうこう)本である。この系列に菅家点による立野春節(たてのはるよ)和刻本がある。ただし改編前の体制を伝えるものは、朝鮮本に拠(よ)る那波道円(なわどうえん)(活所)の木活字本である。また残巻ながら慧蕚本の姿を伝えるものに金沢文庫旧蔵本がある。断簡を除いて、かなりの詩編を収めて白居易の原形にもっとも近いのが、平安中期の書写にかかる神田本『文集巻3・巻4』である。[花房英樹]
『金子彦二郎著『平安時代文学と白氏文集』(1948・講談社) ▽鈴木虎雄著『白楽天詩解』(1952・弘文堂) ▽簡野道明著『白詩新釈』(1956・明治書院) ▽高木正一著『中国詩人選集11・12 白居易 上下』(1958・岩波書店) ▽花房英樹著『白氏文集の批判的研究』(1960・彙文堂書店) ▽田中克己著『漢詩大系12 白楽天』(1964・集英社) ▽平岡武夫・今井清編『校定 白氏文集』全三冊(1973・京都大学人文科学研究所) ▽太田次男・小林芳規著『神田本白氏文集の研究』(1982・勉誠社)』

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世界大百科事典内の白氏文集の言及

【白居易】より

… 白居易は生前から社会の上層下層を問わず多数の読者をもった詩人で,彼の名声は朝鮮,さらに日本にまで伝えられた。作品集を《白氏文集(はくしもんじゆう)》というが,《枕草子》に〈文は文集,文選,はかせの申文(もうしぶみ)〉とあるように,単に〈文集〉といえば《白氏文集》を指すほど,平安朝の人々に愛読された。《白氏文集》は前後集に分かれ,前集の《白氏長慶集》は,824年(長慶4)に元稹が編纂し,50巻より成る。…

※「白氏文集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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