十二因縁絵巻(読み)ジュウニインネンエマキ

デジタル大辞泉 「十二因縁絵巻」の意味・読み・例文・類語

じゅうにいんねん‐えまき〔ジフニインエンヱまき〕【十二因縁絵巻】

鎌倉時代絵巻。1巻。仏教十二因縁説話風に表したもの。

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精選版 日本国語大辞典 「十二因縁絵巻」の意味・読み・例文・類語

じゅうにいんねんえまきジフニインエンヱまき【十二因縁絵巻】

  1. 鎌倉中期の絵巻。一巻世尊寺有能の詞、藤原為継の絵と伝えるが、未詳。折吒王(せったおう)が十二羅刹を退治する説話で、仏教の因果思想にいう十二因縁を示した。東京、根津美術館蔵。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「十二因縁絵巻」の意味・わかりやすい解説

十二因縁絵巻
じゅうにいんねんえまき

鎌倉時代(13世紀)の絵巻。1巻。東京・根津美術館蔵。十二因縁は人間が前世から現世へ、さらに来世へと生まれ変わる三世輪廻(さんぜりんね)のありさまを12の因果関係で示したもの。この絵巻はとくに『無明羅刹(むみょうらせつ)集』という経典に基づいて説いている。作者は不明であるが、絵仏師(えぶっし)一派と思われ、強い描線を主体に、彩色は淡彩を施す程度で、全体の画風には宋(そう)画の影響が認められる。構図や描法などに東大寺の『華厳(けごん)五十五所絵巻』に近似するところが多い。

[村重 寧]

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