十波羅蜜(読み)ジッパラミツ(その他表記)daśa pāramitāḥ

デジタル大辞泉 「十波羅蜜」の意味・読み・例文・類語

じっ‐ぱらみつ【十波羅蜜】

六波羅蜜に、方便・願・力・智の四波羅蜜を加えたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「十波羅蜜」の意味・読み・例文・類語

じっ‐ぱらみつ【十波羅蜜】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「波羅蜜」は[梵語] pāramitā の音訳。到彼岸、度などと訳す ) 悟りの境界(きょうがい)に到達するために菩薩がしなければならない一〇種の修行。菩薩の一〇種の行。布施(ふせ)持戒忍辱(にんにく)精進(しょうじん)禅定(ぜんじょう)智慧(ちえ)の「六波羅蜜」にこれらの助けとなる方便・願・力・智の四つを加えたものの称。〔十地経論‐三〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十波羅蜜」の意味・わかりやすい解説

十波羅蜜
じっぱらみつ
daśa pāramitāḥ

大乗仏教で説かれる 10種の完成された行い。六波羅蜜の最後,慧波羅蜜をさらに分類して4種を加えたものとされる。慧は日常の言語を離れた無分別智であるが,それが現実生活に真実の智慧のままで展開される様子を,この最後の4種によって示すという。『十地経』や唯識関係の諸論書に説かれ,十波羅蜜は菩薩の 10種の修行階位で実践すべきものとされた。十波羅蜜中,(1) ~ (6) は六波羅蜜に同じ。最後の4種は,(7) 智慧を導き出す手段を得ること (方便波羅蜜) ,(8) 智慧を求めようとする願いをもつこと (願波羅蜜) ,(9) 善を行い真偽を判別する力を養うこと (力波羅蜜) ,(10) 究極的な,働きをもった智を得ること (智波羅蜜) 。

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世界大百科事典(旧版)内の十波羅蜜の言及

【六波羅蜜】より

…また,智慧は前の五つの根本となるもので,六波羅蜜は智慧波羅蜜を中心としている。智慧をさらに方便(ほうべん)(手段),願(がん)(自発的),力(りき)(能力),智の四つに分かち,合計して十波羅蜜とすることもある。般若(はんにゃ)【井ノ口 泰淳】。…

※「十波羅蜜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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