十禅師(読み)じゅうぜんじ

精選版 日本国語大辞典 「十禅師」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐ぜんじ ジフ‥【十禅師】

[1] 〘名〙 昔、宮中内道場に奉仕した一〇人の僧。知徳兼備の僧をえらんで任命した。内供奉(ないぐぶ)との兼職で、あわせて内供奉十禅師といわれた。
※続日本紀‐宝亀三年(772)三月丁亥「当時称為十禅師。其後有闕。択清行者之」
[2] 日吉山王(ひえさんのう)七社権現の一つ。国常立尊(くにとこたちのみこと)を権現と見ていう称。瓊々杵尊(ににぎのみこと)から数えて第一〇の神に当たり、地蔵菩薩垂迹(すいじゃく)とする。僧形あるいは童形の神とされた。現在は樹下神社と称し、祭神は鴨玉依姫和魂。
梁塵秘抄(1179頃)二「神の家の小公達は、八幡若宮熊野の若王子子守御前、比叡には山王十禅師」

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デジタル大辞泉 「十禅師」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐ぜんじ〔ジフ‐〕【十禅師】

知徳にすぐれた僧を10人選んで宮中の内道場に仕えさせたもの。内供奉ないぐぶに任ぜられた。
日吉ひえ山王七社権現の一。瓊瓊杵尊ににぎのみこと権現とみていう称。国常立尊くにのとこたちのみことから数えて第10の神にあたり、地蔵菩薩ぼさつ垂迹すいじゃくとされる。

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