十能(読み)じゅうのう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

十能
じゅうのう

オカキ,ヒカキ,スミカキ,センバともいう。点火している炭火を運んだり,かき落したりする道具。金属性の小型スコップ状のものが多い。炭火を運ぶだけのものには,金属製の椀状容器に木製の台と柄をつけたものがある (台十能ともいう) 。スコップ状のものは石炭ストーブの石炭補給や灰を取出すのにも用いられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

じゅう‐のう〔ジフ‐〕【十能】

炭火を入れて持ち運ぶ道具。金属製の容器に木の柄をつけたもの。じゅうの。 冬》

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

じゅうのう【十能】

炭火を載せて運ぶための、柄のついた器またはスコップ。ひかき。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

十能
じゅうのう

炭火を運んだり、火をかきおこすための道具。炭火を運ぶものは、金属製の鍋(なべ)型容器に木製の柄(え)がつき、また火をかきおこすためにはスコップ型の道具を使い、両者をあわせて十能という。江戸時代の初めに考案され、『物類称呼』によれば、スコップ型を京都では「をきかき」、江戸・大坂では「じふのう」とよび、運搬用は江戸では「台じふのう」というとある。このことからも、火をかきおこすスコップ型が、本来の十能の用途であると思われる。[森谷尅久]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

じゅう‐のう ジフ‥【十能】

〘名〙
① 熟練を要する一〇種の技芸。〔文明本節用集(室町中)〕
② 炭火を盛って運ぶ器。金属製の容器に木の柄を付けたもの。じゅうの。《・冬》
※玉露叢(1674)一三「御一門及び諸大名衆より献上物の品々〈略〉〈一、炭斗 十 一、十能 十〉京極六丸」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

未必の故意

犯罪事実の発生を積極的には意図しないが、自分の行為からそのような事実が発生するかもしれないと思いながら、あえて実行する場合の心理状態。→故意[補説]作品名別項。→未必の故意...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

十能の関連情報