千日(読み)せんにち

精選版 日本国語大辞典 「千日」の意味・読み・例文・類語

せん‐にち【千日】

[1] 〘名〙
① 千の日数。また、多くの日数。
※菅家文草(900頃)二・九日侍宴各分一字「五雲晴指登高処、千日暮知解酔時」
※浄瑠璃・冥途の飛脚(1711頃)中「めでたいと申そふかおなごりおしいと申そふか、千日いふてもつきぬこと」
② 千日間の精進御嶽詣など、特別な祈願のために千日間精進すること。また、千日の修行
山家集(12C後)下「千日果てて、御嶽にまゐらせ給ひて、言ひ遣はしける」
③ 鎌倉の東慶寺で三年の日数をいう。離縁を欲する妻がこの寺に駆け込み、三年たつと離縁がみとめられた。
※雑俳・川柳評万句合‐安永二(1773)満一「千(セン)日余しゃうじんをしてゑんを切り」
※賀茂皇太神宮記(1414)「当社をうやまひ、千日のあゆみをはこびけるなり」
※雑俳・柳多留‐一四五(1837)「千日の釣り看板にたたき鉦」
[2] 大阪市の古地名。現在の中央区南西部の千日前の地。昔は刑場や墓場があった。

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デジタル大辞泉 「千日」の意味・読み・例文・類語

せん‐にち【千日】

千の日数。転じて、多くの日数。
特別な祈願のため千日間精進すること。また、千日の修行。
「―果てて、御岳に参らせ給ひて」〈山家集・下・詞書

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普及版 字通 「千日」の読み・字形・画数・意味

【千日】せんじつ・せんにち

一千日。

字通「千」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の千日の言及

【刑場】より

…人家から隔たり草木生い茂る刑場には,取り捨てられた死骸に野犬が群がって,その光景は荒涼凄愴をきわめたという。 京都においては粟田口(あわたぐち)と西土手(にしのどて)に〈東西御仕置之場所〉が置かれ,大坂は千日,野江,鳶田(とびた)などの刑場を有した。このほか幕府直轄地では,長崎の西坂,横浜の暗闇坂(くらやみざか)の刑場が外国人にも知られていた。…

※「千日」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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