(読み)セン

デジタル大辞泉 「千」の意味・読み・例文・類語

せん【千/×阡/×仟】

100の10倍。10の3乗。また、数の多いことにもいう。
[補説]証書などに金額を記すときに「阡」「仟」を用いる。
[類語]じゅうゼロ一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つ九つとお

せん【千】[漢字項目]

[音]セン(呉)(漢) [訓]
学習漢字]1年
〈セン〉
数の名。百の十倍。「千人千両箱/数千・一騎当千海千山千うみせんやません
数の多いこと。「千言千秋千客万来千差万別千里眼
〈ち〉「千草千鳥八千代
[名のり]かず・ゆき
[難読]千歳ちとせ千万ちよろず

ち【千】

100の10倍。せん。また、他の語に付いて複合語をつくり、数の多いことを表す。「とせ」「よろず
ももに―に人は言ふとも月草の」〈・三〇五九〉

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精選版 日本国語大辞典 「千」の意味・読み・例文・類語

せん【千・阡・仟】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 数の単位。百の一〇倍。万の一〇分の一。また、転じて、数の多いことにもいう。ち。
    1. [初出の実例]「玉の木を作りつかふまつりしこと五こくをたちて千余日に力をつくしたる事すくなからず」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  3. 数字の二をいう呉服・太物・足袋商仲間の符丁。〔特殊語百科辞典(1931)〕

千の補助注記

「阡」(ちまたの意)・「仟」(千人の長の意)などの字は、もと、千と無関係の文字であったが、後には、数詞の「千」と同意に用いるようになった。特に、他の数字との相似を避ける目的で、壱(一)、参(三)などとともに、領収書、契約書などには「阡」の字を用いることが多い。これは大字(だいじ)といわれる。


ち【千】

  1. [ 1 ](せん)。百の一〇倍。また、数の多いこと。
    1. [初出の実例]「百(もも)に千(ち)に人は言ふとも月草の移ろふ情(こころ)吾は持ためやも」(出典:万葉集(8C後)一二・三〇五九)
  2. [ 2 ] 〘 造語要素 〙(せん)。また、数の多いことを表わす。「ちとせ(千歳)」「ちよろず(千万)」「ちさと(千里)」「ももちどり(百千鳥)」「やちぐさ(八千草)」など。

せん【千】

  1. [ 一 ] 姓氏の一つ。
  2. [ 二 ] 茶道の家元の名。→千家流

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普及版 字通 「千」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 3画

[字音] セン
[字訓]

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は人(じん)。卜文・金文は、人の下部に肥点を加えて、人と区別する。〔説文〕十部三上に「十百なり。十に從ひ、人に從ふ」と会意に解するが、〔伝〕には人声とする。金文に「年」を「人」としるす例があって、人を年の意に用いる。人にその声もあったのであろう。卜文に二千・三千を、人の下部に二横画・三横画を加えてしるす例があるので、千が人声に従う字であったことは疑いがない。

[訓義]
1. せん。数のせん、ち。
2. ちたび、おおい。
3. に通じ、草のしげるさま。

[古辞書の訓]
名義抄〕千 チチ/一千 ヒトチヂ/且千 -トチヂバカリナリ

[声系]
〔説文〕に千声として年など三字を収める。年の初形は禾(か)の下に人をしるしている。禾形のものを戴いて舞う人の形で、禾は稲魂(いなだま)。おそらく祈年の舞であろう。その舞う女を委・季という。年はもと年穀の意であった。

[語系]
千・仟・阡tsyenは同声。仟は〔説文〕未収の字。〔漢書、食貨志上〕に「仟佰(せんはく)の得」の語があり、千銭をいう。阡は〔説文新附〕十四下に「路の~南北なるを阡と爲す」とあり、東西を陌というのに対する語で、数の意味はない。

[熟語]
千鎰・千衛・千億・千家・千・千巌千騎・千金千鈞・千斤・千軍・千計・千頃・千言千古・千戸千缸千劫・千差・千歳・千載・千山・千祀・千思千駟・千七・千室・千日・千社千種・千樹千愁・千秋・千緒千鍾千觴・千乗・千状・千丈千仞・千尋・千声・千尺・千石・千足・千朶・千態・千代・千重・千張・千度・千人・千年・千念・千佰・千帆・千般・千百・千廡・千夫・千聞・千兵・千変・千片・千・千畝・千峯・千万・千眠・千門・千憂・千里・千慮・千縷・千齢・千錬・千廬
[下接語]
盈千・億千・秋千・十千・数千・直千・当千・万千・百千

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