デジタル大辞泉
「卒」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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そつ【卒】
- 〘 名詞 〙
- ① 下級の兵卒。とくに、武士では軽輩、侍(士)以下の小者。上士に従属して行動し、またその屋敷や身のまわりの世話をする下僕。足軽、中間など。
- [初出の実例]「戦に勝て将驕り、卒(ソツ)惰(をこた)る時は、必破と云へり」(出典:太平記(14C後)一〇)
- [その他の文献]〔史記‐朝鮮伝〕
- ② 旧軍隊で、下級の兵士。
- [初出の実例]「凡(およそ)軍人には上元帥より下一卒に至るまで、其間に官職の階級ありて」(出典:陸海軍軍人に下し賜はりたる勅諭‐明治一五年(1882)一月四日)
- ③ 明治初年、同心および旧幕府で躑躅(つつじ)の間詰めの取り扱いを受けていたが、譜代(ふだい)の臣と認められない者を改めて呼んだ称。
- [初出の実例]「旧来同心の輩は卒と可レ称事」(出典:太政官布告第一一〇四号‐明治二年(1869)一二月二日)
- ④ 明治三年(一八七〇)九月の藩制によって、諸藩の下級士族を区分して設けた族称。卒族。
- ⑤ 令制で、四位・五位および諸王の死去のこと。卒去(そっきょ)。
- [初出の実例]「凡百官身亡者。親王及三位以上称レ薨。五位以上。及皇親称レ卒」(出典:令義解(718)喪葬)
- ⑥ 卒業。学校名や卒業年の下に添える。「A大学卒」「昭和六年卒」
しゅつ【卒】
- 〘 名詞 〙
- ① 死ぬこと。
- [初出の実例]「一、薨とは 大臣逝去事也。一、卒とは 同前」(出典:沙汰未練書(14C初))
- ② しもべ。下男。〔温故知新書(1484)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「卒」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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卒
そつ
明治維新後の一時期,明治政府が旧武士階級の一部に付した身分の呼称。華族,士族に対し,卒族と呼ばれた。明治2 (1869) 年6月明治政府は版籍奉還とともに,旧公卿,諸侯を華族,旧武士階級を士族とし,翌3年9月藩制発布に際し,士族のうち下級武士を区別して卒とした。しかし諸藩においてはこの区別の規準が一定しておらず,不均衡が生じたため,同5年1月卒を廃止し,卒のうち世襲の者を士族に繰入れ,一代限りの卒を平民に編入することとした。同5年当時,士族総数は戸主 25万 8952人,家族 102万 3215人,卒は戸主 13万 6873人,家族 49万 2199人であった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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卒
そつ
明治維新後,旧下級武士に与えられた身分呼称。旧幕時代から中間(ちゅうげん)・足軽などは卒とよばれていたが,1869年(明治2)から71年までに藩士以下の者,旧御家人,足軽,中間,朝廷の使丁などが卒と規定された。72年1月卒は廃止され,世襲の卒は士族に,新規一代限りの卒は平民に編入された。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の卒の言及
【薨奏】より
…宮中儀礼の一つ。喪葬令(そうそうりよう)によると,親王または三位以上の者の死を〈薨〉といい,五位以上の者は〈卒〉,六位以下庶人は〈死〉と称して区別した。親王および五位以上の者が没すると,治部省から太政官を経て天皇に奏聞する。…
【士族】より
…1869年(明治2)6月の版籍奉還後,公卿や諸侯らが[華族]と称されたのに対し,藩士は一門以下平士にいたるまですべて士族と称した。このうち微禄の者は同年12月に卒とされ,士族は18等,卒は3等に分けられた。この士族のもとに,農工商は平民と称せられた。…
※「卒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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