南部牛追唄(読み)なんぶうしおいうた

精選版 日本国語大辞典 「南部牛追唄」の意味・読み・例文・類語

なんぶ‐うしおいうた‥うしおひうた【南部牛追唄】

  1. 〘 名詞 〙 岩手県牛追唄沢内牛追唄と九戸牛追唄とがあり、普通には前者をさす。管弦楽・独唱曲などにも編曲されている。拍子にはまらない、のんびりした美しい旋律。南部牛方節とも。

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改訂新版 世界大百科事典 「南部牛追唄」の意味・わかりやすい解説

南部牛追唄 (なんぶうしおいうた)

岩手県下閉伊(しもへい)・和賀(わが)郡地方の労作歌。厳密にいえば,荷物を牛の背に載せて運搬する道中歌である〈牛方節〉,純然たる放牧歌である〈牛追唄〉のような区別があるが,最近は両者を混用して単に〈牛追唄〉と呼ぶ。一般には奥羽山脈を横断する鹿角(かづの)街道および仙北街道の《沢内(さわうち)牛追唄》(田舎なれどもサアーハエー南部の国はヨー 西も東もサアーハエー金(かね)の山コーラサンサエー ハーラヨーパアパアパッパー)がよく歌われている。日向(宮崎県)の《刈干切(かりぼしきり)唄》と同旋律の哀音嫋嫋(じようじよう)たる中に落着きと品位のある非常に洗練された歌である。内陸から米,炭などを運び,海岸から塩や海産物を運ぶ牛方によって歌われたものだが,牛方は2晩も3晩も道中に野宿しながら悠々と山坂を越えて行ったものだという。
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