卵塔(読み)ラントウ

デジタル大辞泉 「卵塔」の意味・読み・例文・類語

らん‐とう〔‐タフ〕【卵塔/×蘭塔】

台座上に卵形の塔身をのせた墓石禅僧の墓石に多く用いられる。無縫塔むほうとう

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精選版 日本国語大辞典 「卵塔」の意味・読み・例文・類語

らん‐とう‥タフ【卵塔・蘭塔】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 墓石の一種。座台の上に、卵形の石塔婆をのせたもの。多く禅僧の墓標として用いる。卵石塔。無縫塔。転じて、一般に墓石をいう。
    1. [初出の実例]「身は忽に化して暮天数片の煙と立上り、骨は空く留て卵塔(ランタウ)一掬(きく)の塵と成にけり」(出典太平記(14C後)三三)
    2. [その他の文献]〔陸游‐祭勤首座文〕
  3. らんとうば(卵塔場)」の略。
    1. [初出の実例]「らんとうは藪蚊が喰ふとお七いふ」(出典:雑俳・桜の実(1767)二)
  4. 火葬場

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世界大百科事典(旧版)内の卵塔の言及

【塔頭】より

…明治以降は法的には一末寺としての取扱いをうけている。 塔頭の形態は,卵塔(らんとう),昭堂(しようどう),方丈(ほうじよう),僧堂,書院,庫裏(くり)などから構成される。禅僧の墓を卵塔あるいは無縫塔と呼び,四角,八角の台座に卵形の塔身をのせる。…

【塔】より

笠塔婆(図5)は,柱状の塔身に笠石を冠したものをいい,鎌倉時代から遺品がある。無縫塔(図6)は卵塔(らんとう)ともいい,台上に卵形の塔身を置き,笠を載せない。禅僧の墓塔として始まり,後に各宗にも行われたもので,鎌倉時代以後のものである。…

※「卵塔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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