厚頭竜類(読み)こうとうりゅうるい(英語表記)pachycephalosaurians

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

厚頭竜類
こうとうりゅうるい
pachycephalosaurians
[学]Pachycephalosauria

鳥盤目周飾頭(しゅうしょくとう)類(亜目)厚頭竜類(下目)の恐竜。堅頭竜類(けんとうりゅうるい)あるいは石頭(いしあたま)恐竜類、ないしはパキケファロサウルス類と英語名をそのままに片仮名で表記されることもある。堅頭類ということばは、デボン紀から三畳紀にかけ栄えた両生綱の化石動物で、迷歯亜綱とリソロフス目を除く空椎(くうつい)亜綱に対する一般名称として使われているので紛らわしい。また、ギリシア語で「パキ」は「厚い」、「ケファロ」は「頭」なので、本項では厚頭竜類を使用する。化石は北アメリカとアジアに多いが、ヨーロッパからも発見されている。ほとんどが白亜紀後期、約8350万年~6550万年前の地層から産出しているが、ヨーロッパ産のヤベルランディアYaverlandiaのみが白亜紀前期の中ごろ、約1億2700万年前の地層から産出し、ステノペリックスStenopelixは白亜紀の初め、約1億4300万年前の地層から産出している。ほかに基盤的な仲間としては、ワンナノサウルスWannanosaurusやゴヨケファレGoyocephaleがあげられている。厚頭竜類の共通的な特徴は、頭骨が厚い骨でできていること、目の周りに化骨が発達していること、頭骨の表面に装飾が発達していること、頭頂部の周りに皮骨が発達していること、尾の先のほうを覆う骨化した腱(けん)が網のように交差していることなどである。化石としては頭骨のみの産出の場合が目だつが、体骨格がわかっているものとしては、パキケファロサウルスPachycephalosaurus、ゴヨケファレ、ホマロケファレHomalocephale、ステゴケラスStegocerasなどが知られている。厚頭竜類は角竜(つのりゅう)類とともに、周飾頭類を構成している。厚頭竜類はパキケファロサウルス科Pachycephalosauridaeやホマロケファレ上科Homalocephaloideaなどで構成される。頭骨が厚くてドームのように膨らんでいるのが前者で、頭骨は厚いが表面が平坦(へいたん)なのが後者である。パキケファロサウルス科ではドームが大きくなって、周りの棚状出っ張りの幅が狭くなり、上側頭窓(じょうそくとうそう)(主竜類などの頭骨にある、後眼窩(がんか)骨と鱗(りん)骨間の縫合により分離された側頭窓という二つの孔のうち、上方の孔のこと)が小さくなって消失するという進化傾向がみられる。厚頭竜類の頭突きの復原図が普及しているが、これは頭と頭をつけるのではなく、たとえばわき腹に頭突きをしたのではないかという解釈が有力となっている。[小畠郁生]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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