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原子力協定 ゲンシリョクキョウテイ

デジタル大辞泉の解説

げんしりょく‐きょうてい〔‐ケフテイ〕【原子力協定】

核物質や原子力関連資機材・技術が軍事目的に利用されることを防ぐために設けられた法的枠組み。日本は、米国・英国・フランス・カナダ・オーストラリア・中国・ロシア・カザフスタン・インドとそれぞれ二国間協定締結欧州原子力共同体EURATOM)との間でも締結している。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

原子力協定

原子力発電所の運用に必要な原子炉ウランなどの機材や核物質を輸出入する際に、主に二国間で結ぶ協定。核兵器などへの転用を防ぐよう求めるもので、国際原子力機関(IAEA)の保障措置とともに、原子力の平和利用と核不拡散を両立させる柱。日本は英米との協定を元に原発を導入した。日米協定は1955年に研究目的で開始。非核兵器保有国である日本に、ウラン燃料の濃縮や使用済み燃料の再処理を一括で認めた現在の協定は88年に発効した。

(2017-09-23 朝日新聞 朝刊 5総合)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

原子力協定
げんしりょくきょうてい
atomic agreementatomic energy agreement

原子力の技術、燃料用核物質、部品などの利用を平和目的に限ることを義務づける国際協定。二国間の協定が多いが、多国間で結ばれることもある。原子力発電所をはじめとする原子力に関する技術の輸出入に際し、軍事利用や第三国への核拡散を防ぐ観点から、締結する必要がある。核関連物質の第三国への持ち出しを規制するほか、事故が起きた場合に国際関係機関への早期通報を義務づける。国際原子力機関(IAEA)の定期検査を受け入れる必要もある。協定発効には議会(国会)での批准が必要である。ウラン濃縮や、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理を認めるかどうかなどの協定内容は、当事国間の事情によって異なる。
 もともと日本政府は、原子力技術や燃料用核物質を輸入し、使用済み核燃料の海外再処理を目的に、欧米先進国と原子力協定を結んできたが、2010年(平成22)以降、原子力発電所を輸出するために新興国と締結する例が増えている。1955年(昭和30)にアメリカ政府と結んだ日米原子力研究協定が最初で、2014年時点でイギリス、カナダ、オーストラリア、フランス、ロシア、韓国、中国、カザフスタン、ベトナム、ヨルダン、トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)の合計13か国政府と二国間協定を締結。ヨーロッパ主要国が加盟するヨーロッパ原子力共同体(EURATOM(ユーラトム))とも協定を結んでいる。2014年7月時点で、インド、ブラジル、南アフリカ共和国、サウジアラビア、メキシコ政府と協定締結交渉を進めているほか、タイ、マレーシア、モンゴルとも折衝中である。日本の経済産業省の試算では、2010年代に400基台である世界の原子力発電所数は、中国、インド、ベトナム、サウジアラビア、トルコなど新興国の電力需要の増加で、2030年までに最大800基に増える見通しである。このため日本、アメリカ、フランスなどのほか、ロシア、中国、韓国などが、新興国と原子力協定を結ぶ例が増えている。[矢野 武]

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