参らせ候(読み)マイラセソロ

デジタル大辞泉 「参らせ候」の意味・読み・例文・類語

まいらせ‐そろ〔まゐらせ‐〕【参らせ候】

手紙。特に、恋文
「つれづれの外に―も書き」〈柳多留・二〇〉
草書でくずして書いた字がその姿に似ているところから》虚無僧こむそう
「父は子のために―で来る」〈柳多留九五

まいらせ‐そろ〔まゐらせ‐〕【参らせ候】

[連語]《動詞「まいらす」の連用形補助動詞「そうろう」の音変化「そろ」》動詞の連用形に付いて、丁寧の意を表す。…ます。…ております。…てさしあげます。「一筆しめし参らせ候

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精選版 日本国語大辞典 「参らせ候」の意味・読み・例文・類語

まいらせ‐そろまゐらせ‥【参候・進候】

  1. [ 1 ] 〘 連語 〙 ( 動詞「まいらす(参)」に補助動詞「そうろう(候)」の変化した「そろ」の付いたもの ) 近世、主として女性の手紙文に丁寧語の補助動詞として用いられた語。…しております。…します。…でございます。まいらせそうろう。草書でくずして「」などと書いた。〔ロドリゲス日本大文典(1604‐08)〕
    1. [初出の実例]「読(よむ)長文は御台より敵の様子こまごまと、女の文の跡やさき、で、はかどらず」(出典浄瑠璃仮名手本忠臣蔵(1748)七)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. ( [ 一 ]が手紙専用の語であるところから ) 手紙。特に、恋文。
      1. [初出の実例]「逢はぬ間のつらさを文に物いわせて、まいらせそろを楽しむ」(出典:浮世草子・新色五巻書(1698)二)
    2. ( 「まいらせそろ」の漢字を極端にくずしていいかげんに書いても読めるところから ) いいかげんにしておくこと。その場のなりゆき次第にすること。そろべくそろ。「まいらせそろにする」
    3. ( 「」の文字と形が似ているところから ) 虚無僧(こむそう)
      1. [初出の実例]「父は子の為にで来る」(出典:雑俳・柳多留‐九五(1827))

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