参上る(読み)マイノボル

デジタル大辞泉 「参上る」の意味・読み・例文・類語

まい‐のぼ・る〔まゐ‐〕【参上る】

[動ラ四]貴所・都に上って行く。
「―・る八十氏人やそうぢひと手向たむけするかしこの坂に」〈・一〇二二〉

もう‐のぼ・る〔まう‐〕【参上る】

[動ラ四]まいのぼる」の音変化。
兵衛は―・りぬ」〈宇津保藤原の君〉

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精選版 日本国語大辞典 「参上る」の意味・読み・例文・類語

もう‐のぼ・るまう‥【参上】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 ( 「まいのぼる(参上)」の変化した語 )
  2. 必要があって、都へのぼる。
    1. [初出の実例]「月を経るまでに京都(みやこ)に不肯聴上(ゆるしマウノホラせかへにす)(〈別訓〉たてまつりあけす)」(出典日本書紀(720)雄略七年八月(前田本訓))
  3. 貴人もとへまいる。参上する。
    1. [初出の実例]「今、まうのぼりける道にふたげられて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)蜻蛉)

まい‐のぼ・るまゐ‥【参上】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 のぼって来る意の謙譲語。参上する。高貴な人のもとや高貴な場所、また都に行く、またやって来る。もうのぼる。
    1. [初出の実例]「参昇(まゐのぼる) 八十氏人手向(たむけ)する 恐(かしこ)の坂に 幣まつり」(出典:万葉集(8C後)六・一〇二二)

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