20世紀日本人名事典 「古川泰龍」の解説
古川 泰龍
フルカワ タイリュウ
昭和期の僧侶,死刑廃止運動家 シュバイツァー寺(独立寺院)住職。
- 生年
- 大正9(1920)年8月18日
- 没年
- 平成12(2000)年8月25日
- 出生地
- 佐賀県杵島郡北方町志久
- 出身地
- 佐賀県藤津郡塩田町
- 旧姓(旧名)
- 古川 安之助(フルカワ ヤスノスケ)
- 別名
- 別名=花咲爺(カショウヤ)
- 学歴〔年〕
- 高野山専修学院卒
- 主な受賞名〔年〕
- 警察協章(第1回)〔昭和39年〕「全国指命手配第1号連続殺人犯人逮捕」
- 経歴
- 少年時代に出家得度、軍隊から帰り、真言宗・常在寺住職に。信仰雑誌「コスモス」を刊行する。昭和27年福岡刑務所の死刑囚教誨師になる。その後、福岡事件死刑囚・石井健治郎と西武雄の無実を信じ、福岡事件死刑囚再審運動を始める。48年宗教法人・生命山シュバイツァー寺を開山、死刑廃止を目ざすが、50年石井の恩赦減刑(無期)と同時に西は処刑された。56年より産業医科大学で仏教的観点から「サナトロジー(死学)」を講義。61年熊本県玉名郡菊水町に“東西宗教交流センター・カトリック別院”を創設し、活動を始める。平成元年石井元死刑囚が仮釈放となり、その身元引受人になった。作家・佐木隆三の小説「復讐するは我にあり」に登場する住職のモデル。著書に「白と黒のあいだ」「『死』は救えるか―医療と宗教の原点」「歎異抄―最後の一人を救うもの」「冤罪死刑囚の記録」「叫びたし寒満月の割れるほど」、共著に「地湧きの思想」「医療のための人間学」。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報