古町市(読み)ふるまちいち

日本歴史地名大系 「古町市」の解説

古町市
ふるまちいち

[現在地名]伊南村古町

古町村で天正年間(一五七三―九二)から開かれていた市。天明五年(一七八五)の古町市場再興(福島県史)によれば天正七年当時古町村に筬を刷いて家業とする者がいた。当時筬を刷く人がなく、近国・遠国・上方筋から筬を買うために諸商人が古町に集まり、古町は俗に筬刷おさはき町とよばれるようになった。同年四月六斎市を地頭に願い、二・七の日の六斎市を許されている。その後、蒲生氏・加藤氏支配の時も維持され、寛永二〇年(一六四三)保科氏の入国後も続いたという。「会津風土記」にも「古町毎月為市六日」とある。しかし貞享二年(一六八五)の「伊南古町組郷村之品々書上帳」には、在郷商人の成長によって、この地方特産で重要な換金作物である布・真綿・麻などが市場に出なくなり、貞享期にはすでに衰えている様子が記されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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