街村(読み)ガイソン

デジタル大辞泉 「街村」の意味・読み・例文・類語

がい‐そん【街村】

街道に沿って帯状に発達した集落宿場町門前町など。

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精選版 日本国語大辞典 「街村」の意味・読み・例文・類語

がい‐そん【街村】

  1. 〘 名詞 〙 民家の集まり具合で、村落形態を分類したものの一つ。道の両側または片側人家が帯状に発達している村落。宿場町・門前町などの形態。

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百科事典マイペディア 「街村」の意味・わかりやすい解説

街村【がいそん】

街道に沿って民家が立ち並んで発生した細長い集落。門前町,市場町,宿場町などに多く,路村が農村的なのに比べ街路への依存度が高く,商業的集落の性格が強い。→集村
→関連項目散村列村

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「街村」の意味・わかりやすい解説

街村
がいそん
Strassendorf; street village

街路に沿って,その両側または片側に民家が密に立並んで形成された集落をいう。列状集落 Reihendorfの一種で,帯状に続く集落の密集度が高く,そこに住む人々の生業は街路への依存度が高い。江戸時代に発達した宿場町,市場町門前町などは,ほとんど中軸となる街路の両側に家が立並んだ列状の集落形態を示している。そのなかでも,東海道五十三次の宿駅は典型的な街村を形成している。土地割は中軸となる街路に直角方向に,整然とした宅地割が短冊型に施されたものが多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「街村」の意味・わかりやすい解説

街村
がいそん

街道に沿い両側あるいは片側に細長く密集して形成された列状村落をいう。封建時代の宿場町、市場町、門前町のように街路への依存度が大きく、また商業的機能が高い。山地が海に迫った狭い海岸を走る街道などでは、片側街村が多くみられる。土地割は街路と直角の方向に短冊形となる。

[中田榮一]

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世界大百科事典(旧版)内の街村の言及

【新田集落】より

…新田集落は開発地の地形や開発目的によって集落形態が異なり,開発主体によって社会構造や経済機能も異なる。 集落形態は,開発地の地形によって集村,散村,列村,街村となる。集村は一般的で開発地の中の居住適地に新田百姓の家屋が密集し,新田百姓の経営耕地は分散している。…

【村】より

…すなわちその一つは,ほぼ30戸前後の農民家屋敷がおのおの自家の菜園地を伴いながら,〈むら〉の中心部に核をなして密集し,その周囲を垣根や柵で取り囲み,その外側にいくつかの共同耕区がひろがり,さらにその外側に森林,牧草地,荒蕪地などの入会地をもつという,三圃農法に最も適合的な〈集村Haufendorf〉であり,第2は10戸前後のルーズなまとまりで,共同の入会地や耕区もあるが,各戸別の耕地も不規則に散在する〈小村〉,すなわちゲルマン地域で〈ワイラーWeiler〉,イギリスで〈ハムレットhamlet〉などと呼ばれる形態であり,第3のタイプは,家屋敷の周囲に各戸の菜園地やブロック状の大小さまざまな耕地,あるいは牧草地などをもち,一戸一戸が分散して,団体規制のきわめてゆるい〈散村Einzeldorf〉である。このほか,干拓や開墾により計画的に道路に沿って規則正しく各戸の家屋敷,菜園地,耕地,牧草地などをもつ〈街村Strassendorf〉,あるいはスラブ系諸族の地域にみられる〈円村Rundling,Runddorf〉などのタイプがあるが,西ヨーロッパの主要な集落形態は,上述の三つと考えてよい。
[集村の成立と普及]
 この3形態の起源または成立事情につき,従来の学説は,これを民族性と関係づけ,集村をゲルマン人に固有のもの,散村または小村をケルト系民族の遺制ないしは中世中期以降における開墾によるものとみなしてきた。…

※「街村」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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