古開作(読み)ふるがいさく

日本歴史地名大系 「古開作」の解説

古開作
ふるがいさく

[現在地名]山陽町大字郡

瀬戸内海に面し、厚狭川の河口西に位置する漁村梶浦かじうらの前面の海を埋め立てた干拓地。

末益すえます村内に多くの給領地をもった厚狭毛利氏が安永年間(一七七二―八一)三七町歩の海開作築立について萩藩の許可を受け、天保三年(一八三二)周防国大島郡内の柳原新兵衛・松井重助を開作本締役として計画された。藩内外の出資を受けて開作出銀に応じて田地を分与する方針をとり、同九年厚狭川沿いに土手築立を開始、弘化二年(一八四五)に中土手を作り、北半分の干拓完成を急いで同四年潮留が完成した。この部分を古開作といい、総面積は六七町余となり計画当初より大事業となった。


古開作
ふるがいさく

[現在地名]小野田市大字小野田

本山もとやま半島へ連なる丘陵の西側、西須恵にしすえ村の野来見のぐるみの地先の海を、近隣の刈屋かりや城戸きど両浦の給領主吉敷毛利氏が干拓した地。

工事は海面下の石炭採掘を目的とし、肥後鹿子木謙之助を工事責任者として、工費支弁のための出資者に石炭および開作地を割り当てるという計画で行われ、潮止は安政二年(一八五五)に完成して七三町余が干拓された。

だがこの開作地は当初の目的とは異なり水田とされた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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