吉志舞(読み)キシマイ

デジタル大辞泉 「吉志舞」の意味・読み・例文・類語

きし‐まい〔‐まひ〕【吉志舞】

大嘗会だいじょうえ代々安倍氏が奉仕した歌舞闕腋けってき打掛うちかけ甲冑かっちゅうをつけ、たてげきを持って舞う。中世には廃絶した。吉師部きしべがく楯伏舞たたふしのまい楯節舞たたふしのまい

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精選版 日本国語大辞典 「吉志舞」の意味・読み・例文・類語

きし‐まい‥まひ【吉志舞】

  1. 〘 名詞 〙 平安時代大嘗会(だいじょうえ)に安倍氏がつかさどって奏した舞。神功皇后が三韓遠征から凱旋して、大嘗会を行なった際に、安倍氏の祖先が奏したとの伝承により、以後代々安倍氏がつかさどることになった。闕腋(けってき)打掛を着け、甲冑をつけ、鉾(ほこ)をもって舞う。吉師部楽(きしべのがく)
    1. [初出の実例]「安倍氏吉志舞」(出典:日本三代実録‐貞観元年(859)一一月一九日)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「吉志舞」の意味・わかりやすい解説

吉志舞
きしまい

『吉師部楽 (きしのべのがく) 』ともいう。雅楽曲名。儀式楽の一つ。神功皇后が征韓から帰ったとき,安倍氏の祖先が奏した楽で,その後代々安倍氏の司るものとなったと伝えられる。

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世界大百科事典(旧版)内の吉志舞の言及

【阿倍氏】より

…なお平安時代中期の有名な陰陽家安倍晴明は御主人の系統に連なると言われる。阿倍氏にはまた大嘗祭に吉志舞(きしまい)を奏するという特殊な職務がある。吉志舞は新羅の服属儀礼を芸能化したものと言われ,難波吉士らの間に伝えられたと思われるが,阿倍氏がこれを統率するようになった後,みずから奏するようになったのであろう。…

※「吉志舞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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