吉田流(読み)ヨシダリュウ

デジタル大辞泉 「吉田流」の意味・読み・例文・類語

よしだ‐りゅう〔‐リウ〕【吉田流】

弓術一派。室町時代末に吉田重賢が起こしたもの。
鍼術しんじゅつの一派。室町時代末、出雲大社の神官吉田意休が始めたとされる。
近世オランダ流外科術を学んだ吉田自庵を祖とする外科の流派
吉田神道よしだしんとう

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精選版 日本国語大辞典 「吉田流」の意味・読み・例文・類語

よしだ‐りゅう‥リウ【吉田流】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 弓術の一派。永正四年(一五〇七)、日置流の祖日置弾正正次の門人で近江国(滋賀県)佐々木氏の一族である吉田上野介重賢のはじめたもの。吉田流出雲派、吉田流印西派(いんざいは)、吉田流左近衛門派、吉田流雪荷派など、分派が多い。
  3. よしだしんとう(吉田神道)
  4. 鍼術(しんじゅつ)流儀の一つ。永祿一五五八‐七〇)の頃、出雲国(島根県)の出雲大社の祠官吉田意休のはじめたもの。
    1. [初出の実例]「母親は京橋辺に住まって、吉田流(ヨシダリウ)按摩の看板を出してゐると云ふことだった」(出典:青年(1910‐11)〈森鴎外〉二一)
  5. オランダ流外科の流派の一つ。肥前国(長崎県)長崎の吉田自休に南蛮流の外科を学んで、その養子となり、元祿年間(一六八八‐一七〇四)、召されて幕府の医官となった吉田自庵昌全を祖とするもの。

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世界大百科事典(旧版)内の吉田流の言及

【あんま(按摩)】より

…その後,あんま術は衰えたようであるが,近世前期に復興されて広まり,徳川綱吉の病気をなおした杉山和一にはじまる杉山流が盛んになった。杉山流には盲人が多かったが,のちに創始された吉田流は目明きが多かった。《守貞漫稿》には,流しのあんまは三都とも小笛を吹いて歩く,京坂では夜間だけ,江戸では昼夜ともに回る,江戸ではふつう上下をもんで48文,店を開いて客を待つ足力(そくりき)は上下で100文,ただし,この足力あんまは京坂にはいないとしている。…

【弓道】より

…すなわち15世紀末,日本弓術中興の祖と称される日置(へき)弾正正次が出るにおよび歩射射術が確立し,下級武士や大衆のあいだに広く伝播したのである。正次の日置流はその後吉田重賢の吉田流にすべて受け継がれ,さらに出雲(いずも)派,雪荷(せつか)派,道雪(どうせつ)派,印西(いんさい)派,大蔵(おおくら)派などに分派し,各派からは優秀な射手が輩出し技を競った。また日置流傍系で吉田流の影響を強く受けた竹林(ちくりん)派は尾州,紀州両藩でおおいに繁栄し,とくに江戸時代の通し矢競技にその技を競った。…

※「吉田流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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