…その後,あんま術は衰えたようであるが,近世前期に復興されて広まり,徳川綱吉の病気をなおした杉山和一にはじまる杉山流が盛んになった。杉山流には盲人が多かったが,のちに創始された吉田流は目明きが多かった。《守貞漫稿》には,流しのあんまは三都とも小笛を吹いて歩く,京坂では夜間だけ,江戸では昼夜ともに回る,江戸ではふつう上下をもんで48文,店を開いて客を待つ足力(そくりき)は上下で100文,ただし,この足力あんまは京坂にはいないとしている。…
…すなわち15世紀末,日本弓術中興の祖と称される日置(へき)弾正正次が出るにおよび歩射射術が確立し,下級武士や大衆のあいだに広く伝播したのである。正次の日置流はその後吉田重賢の吉田流にすべて受け継がれ,さらに出雲(いずも)派,雪荷(せつか)派,道雪(どうせつ)派,印西(いんさい)派,大蔵(おおくら)派などに分派し,各派からは優秀な射手が輩出し技を競った。また日置流傍系で吉田流の影響を強く受けた竹林(ちくりん)派は尾州,紀州両藩でおおいに繁栄し,とくに江戸時代の通し矢競技にその技を競った。…
※「吉田流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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