向鷲見城跡(読み)むかいずみじようあと

日本歴史地名大系 「向鷲見城跡」の解説

向鷲見城跡
むかいずみじようあと

[現在地名]高鷲村大鷲

長良川左岸、向鷲見の南部にある向鷲見山に位置する鷲見氏の居城跡。標高六四五メートル、向鷲見平地より九五メートルの山頂にあって三方に谷をめぐらし、東方一連の山脈は遠く飛騨の山々に連なる天険の要地。麓から山の北東面を通って頂上に達する路形が残る。これが大手で、南方郡上谷に面した方が搦手。頂上の平地の東西に土塁や堀切・石垣の跡をとどめる。東の堀切を一の堀、西を二の堀という。東方中腹の柳の丸に居館を兼ねた出城があったようで、平時は現浄勝じようしよう寺の西の忠助屋敷辺りにあった居館に起居した。柳の丸の東に続いて柳の馬場があって今も跡が残る。山の中腹しようほらに面した谷間に清水が湧き、水の手といい飲料水とした。ここに白米城伝説もある。鷲見氏の菩提寺は鷲見の無元むげん(現長善寺)であった(高鷲村史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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