吹上げ(読み)フキアゲ

デジタル大辞泉 「吹上げ」の意味・読み・例文・類語

ふき‐あげ【吹(き)上げ/噴(き)上げ】


(吹き上げ)低い所から風が吹き上がってくること。また、その場所
水・温泉などを高くふき上げること。また、その装置や場所。特に、噴水
室町末期から江戸時代にかけて行われた女性髪形の一。髪をふくらませてまげを上げたもの。ふきわげ。
吹上の浜」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「吹上げ」の意味・読み・例文・類語

ふき‐あげ【吹上・噴上・吹揚】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 海、谷など低い所からの風が吹き上がってくる所。しばしば地名となる。
      1. [初出の実例]「谷川のふきあげに立てるたに柳枝のいとまもみえぬ春かな」(出典:天延三年庚申朝光歌合(975))
    2. 温泉、水などが勢いよくほとばしり上がること。また、その場所。特に、噴水をさすこともある。《 季語・夏 》
      1. [初出の実例]「ふきあげのつぼ造りみがきて、よろづの調度は、片山に積みたるやうにておはす」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲上)
    3. ふきわげ(吹髷)
      1. [初出の実例]「女のかみのゆひやうは、みな名所の名におふといふ〈略〉さる者聞て、まだ有、吹上(フキアケ)といふは紀伊の国の名所といふ」(出典:咄本・私可多咄(1671)四)
    4. 取引相場で、相場が急に上がること。〔取引所用語字彙(1917)〕
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ]ふきあげのはま(吹上浜)
      1. [初出の実例]「秋風のふきあげにたてるしらぎくは花かあらぬか浪のよするか〈菅原道真〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋下・二七二)
    2. [ 二 ] 江戸時代、江戸小石川一帯呼称。現在の東京都文京区小石川三~五丁目、大塚三丁目の一帯にあたり、古くは奥州街道が通じていて榎並木があった。
    3. [ 三 ] 岡山県倉敷市下津井地区の地名。

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