吹毛(読み)スイモウ

デジタル大辞泉 「吹毛」の意味・読み・例文・類語

すい‐もう【吹毛】

《毛を吹き分けて隠れたきずを探す意から》無理に人の欠点を探すこと。あらさがし。→毛を吹いてきずを求む
吹きかけた毛も断ち切るほどの、よく切れる剣。「吹毛の剣」

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精選版 日本国語大辞典 「吹毛」の意味・読み・例文・類語

すい‐もう【吹毛】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 毛を吹くこと。きわめてたやすいことのたとえにいう。わけもないこと。〔韓非子‐内儲説下〕
  3. ( 毛を吹いて隠れた疵(きず)を探す意から ) 無理に欠点をさがすこと。また、他人の弱点をあばいて、かえって自分の欠点をさらけだすこと。→毛を吹いて疵を求む
    1. [初出の実例]「関白為汝猶有不快御気色。毎事似吹毛。能々可用心云々」(出典春記‐長暦二年(1038)一二月一二日)
    2. 「翁が心の中に思ふ事をありのままに申せば、さだめて吹毛の難もおほく侍らん」(出典:筑波問答(1357‐72頃))
    3. [その他の文献]〔張説‐獄箴〕
  4. すいもう(吹毛)の剣」の略。
    1. [初出の実例]「高重〈略〉問て曰、如何是勇士恁麽の事、和尚答曰、吹毛(スイモウ)急用不前」(出典:太平記(14C後)一〇)
    2. [その他の文献]〔碧巖録‐百則・評唱〕
  5. ほっす(払子)」の異名。〔文明本節用集(室町中)〕

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普及版 字通 「吹毛」の読み・字形・画数・意味

【吹毛】すいもう(まう)

毛を吹く。容易なこと。また、欠点をさがす。毛を吹いて疵を求む。唐・張説〔獄箴〕貴ぶ仁恕窘束(きんそく)を矜(ほこ)るに非ず。(いやし)くも毛を吹かば、人安(いづ)くにか足を措(お)かん。

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