コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

鳴神 なるかみ

6件 の用語解説(鳴神の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鳴神
なるかみ

歌舞伎狂言。歌舞伎十八番の一つ。貞享1 (1684) 年江戸中村座で上演された1世市川団十郎作『門松四天王』が鳴神狂言の初演とされるが,内容不明。寛保2 (1742) 年大坂大西佐渡島座で初演された『雷神不動北山桜 (なるかみふどうきたやまざくら) 』の4段目「鳴神」が後世の定型といわれる。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

なるかみ【鳴神】

歌舞伎十八番の一。時代物。1幕。貞享元年(1684)に初世市川団十郎が自作の「門松四天王」で演じたのが始まりとされる。能の「一角仙人」に取材し、高僧が美女の誘惑に戒を破る話を扱ったもの。現在の定型は、寛保2年(1742)2世団十郎が、大坂佐渡島座で初演した安田蛙文ほかの合作「雷神不動北山桜(なるかみふどうきたやまざくら)」の4幕目による。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

鳴神【なるかみ】

歌舞伎劇。津打半十郎・安田蛙文(あぶん)・中田万助ら作。1742年初演の《雷神不動北山桜》の一場面で,歌舞伎十八番の一つ。朝廷に不満をもつ鳴神上人の祈りによりひでりが続くので,宮中第一の美女雲の絶間姫が色じかけで上人を堕落させ,雨を降らせる
→関連項目マハーバーラタ

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

なるかみ【鳴神】

謡曲《一角仙人》を題材として頼光四天王の世界に採り入れ,鳴神上人に雲の絶間姫を配した歌舞伎狂言の筋の総称。また1幕物の時代劇《鳴神》は歌舞伎十八番の一つ。この題材は寛文期(1661‐73)から人形劇では行われていたもので,歌舞伎に移され,1684年(貞享1)2月《門松四天王》で,初世市川団十郎が自作自演大当りをとった。ついで《源平雷伝記(げんぺいなるかみでんき)》(1698年8月江戸中村座),《成田山分身不動(なりたさんふんじんふどう)》(1703年4月江戸森田座)などを経て,《雷神不動北山桜(なるかみふどうきたやまざくら)》が完成した。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

なるかみ【鳴神】

歌舞伎十八番の一。1684年に江戸中村座上演の「門松四天王」が原拠かといわれる。現在上演されているものは、津打半十郎ら合作で、1742年大坂大西芝居で初演された「雷神なるかみ不動北山桜」の四幕目が原典。能の「一角仙人」から取材し、朝廷に恨みをもつ鳴神上人が竜神を封じこめるが、雲の絶間姫の色香に迷い呪法が破れ雨が降るという筋。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鳴神
なるかみ

歌舞伎(かぶき)劇。時代物。一幕。津打半十郎、安田蛙文(あぶん)、中田万助合作。1742年(寛保2)1月、大坂・佐渡島(さどしま)座で2世市川団十郎の鳴神上人(しょうにん)、初世尾上(おのえ)菊五郎の雲の絶間(たえま)姫らによって初演された『雷神不動北山桜(なるかみふどうきたやまざくら)』の四幕目が独立したもので、「歌舞伎十八番」の一つ。能『一角(いっかく)仙人』にヒントを得て初世団十郎が1688年(元禄1)、自作の『門松四天王(かどまつしてんのう)』で演じ好評を得た鳴神の話を、王朝時代の宮廷騒動に結び付けて脚色。朝廷に不満をもつ鳴神上人は、竜神を滝壺(たきつぼ)に法力で封じ込めたため、天下は日照りに悩まされるが、勅命を受けた美女絶間姫が色仕掛けで上人を誘惑、ついに鳴神は破戒して行法も破れ、豪雨になる。幕末以後中絶していたのを、1910年(明治43)2世市川左団次が岡鬼太郎(おにたろう)の台本によって復活した。ほとんど純粋の会話劇として構成され、後半、欺かれたと知った鳴神が暴れ出してからは典型的な荒事(あらごと)形式になる。信仰による戒律が肉欲に屈服するというテーマと健康なエロチシズムが近代人の共感をよび、歌舞伎の海外公演でも演目に選ばれることが多い。[松井俊諭]
『郡司正勝校注『日本古典文学大系98 歌舞伎十八番集』(1965・岩波書店)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の鳴神の言及

【雷神】より

…雷を神格化した神。雷電様(らいでんさま),鳴神(なるかみ),ドンド神,ハタ神,イナズマ様,イカヅチ,カミナリなど雷鳴や雷光にもとづく名称が多い。雷神は水神かつ火神として,天と地をつなぐ媒介者とみなされ,また雷はカンダチと称せられるように神の示現をも意味した。…

【一角仙人】より

…竜神の役は2人の子方(こかた)が演ずる。歌舞伎の《鳴神(なるかみ)》の原拠。【横道 万里雄】。…

【ジャータカ】より

…また,日本へも前述の漢訳文献を通じて《今昔物語集》などに入っている。たとえば,〈二羽の紅鶴と亀〉の話は,〈亀と鷲〉(イソップ),〈二羽の家鴨と亀〉(ラ・フォンテーヌ),〈雁と亀〉(《今昔物語集》)となり,一角仙人の話は《今昔物語集》を通じて謡曲《一角仙人》や歌舞伎《鳴神》となっている。 ジャータカはまた,彫刻や絵画等としても表現されている。…

【雷神不動北山桜】より

…1742年(寛保2)正月大坂佐渡嶋長五郎座(大西)初演。配役は粂寺弾正・鳴神上人・不動明王を2世市川海老蔵(前の2世団十郎),秦民部・白雲坊を佐渡嶋長五郎,雲の絶間姫を初世尾上菊五郎,文屋豊秀を柴崎民之助,錦の前を中村明石,早雲王子を中村次郎三など。天下旱魃の混乱を利用して謀叛を企てる早雲王子の陰謀を背景に,鳴神上人の朝廷への怨恨,小野春道家のお家騒動などを描く。…

【マハーバーラタ】より

…その中で最も有名な哲学的詩編は《バガバッドギーター(神の歌)》で第6巻にみえ,これはヒンドゥー教徒の聖書ともされている。物語として著名なものに,夫を死神の手から取り戻した貞女を説く《サービトリー物語》,夫婦の愛をうたった《ナラ王物語》,本邦歌舞伎十八番の一つ《鳴神》の原型とされる《リシュヤシュリンガ(一角仙人)物語》などがあり,いずれも第3巻に収められている。 《マハーバーラタ》の後世インド文化への影響はきわめて大きく,詩人,劇作家はこれより取材して文芸作品を残し,また造形美術にも《マハーバーラタ》の一場面を描くものが少なくない。…

※「鳴神」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

鳴神の関連キーワード四天王寺大学一角仙人県門の四天王四天王樹四天王合行法四天王寺式大阪府大阪市天王寺区四天王寺四天王物一角仙人物語頼光四天王

今日のキーワード

大寒

二十四節気の一つ。元来,太陰太陽暦の 12月中 (12月後半) のことで,太陽の黄経が 300°に達した日 (太陽暦の1月 20日か 21日) から立春 (2月4日か5日) の前日までの約 15日間で...

続きを読む

コトバンク for iPhone