咎(漢字)

普及版 字通 「咎(漢字)」の読み・字形・画数・意味


8画

[字音] キュウ(キウ)・コウカウ
[字訓] とが・そしる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
人+夂(ち)+口。夂(ち)+口は各。神の降格する意で「各(いた)る」とよむ。口は祝詞を収める器の(さい)。神が降格して、人に罰することを求める呪詛を行う意。その呪詛によって降されるものを咎という。〔説文八上に「災なり。人に從ひ、各に從ふ。各なるは相ひふなり」と、各を各異の意とするが、呪詛して人にもたらされる災禍を咎といい、神罰を受けることをも咎という。金文の〔(しょうしゅ)〕に「廼(すなは)ち余一人の咎を作(な)さん」、〔詩、小雅、伐木〕「我をして咎らしむること(なか)れ」のようにいう。金文にという字があり、(だく)に従うのは、禍殃として病気となる意であろう。

[訓義]
1. とが、とがめ、わざわい。
2. つみ、うれえ、にくしみ。
3. そしる、にくむ。
4. 国語として、あやしみとう、とがめなじる。
5. 咎(こうよう)は皋陶(こうよう)、舜の賢臣と伝えられる神話的人物。

[古辞書の訓]
名義抄〕咎 トガム・トガ・ワザハヒ・アヤマチ

[声系]
〔説文〕に咎声としてなど十二字を収める。八上に「毀(そし)るなり」とあるのは、咎の声義を承けるものであろう。

[語系]
咎・giuは同声。〔玉〕に「は毀(そし)るなり」とあり、と声義同じ。或いはその異文であろう。

[熟語]
咎悪咎殃・咎過咎戒咎悔・咎害咎毀咎譴咎愆・咎罪咎謝咎醜咎祥・咎証咎徴咎敗咎罰咎魅咎誉咎吝咎累咎戻
[下接語]
畏咎・移咎・遺咎・引咎・悔咎・帰咎・休咎・咎・譴咎・後咎・災咎・受咎・追咎・天咎・辟咎・憂咎

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報