世界大百科事典 第2版「唯物論研究」の解説
ゆいぶつろんけんきゅう【唯物論研究】
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
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唯物論研究会の月刊機関誌。1932年(昭和7)11月に創刊され、弾圧によって38年の3月号で終刊するまで65冊が発行された。その後『学芸』と改題され、38年11月の廃刊まで八冊が刊行された。マルクス主義哲学の諸理論の解明や、当時のファッショ的な反動哲学および日本主義思想との闘争において貴重な役割を果たした。戦後は一時期、唯物論研究所から発行されたが、やがて59年(昭和34)に発足した日本唯物論研究会の機関誌となった(60年4月~65年12月)。その後、79年11月に唯物論研究協会の機関誌として発刊されたが、改題され『思想と現代』として今日に至っている。
[山田敬男]
…広島県山県郡本地村の真宗寺院に生まれ,1922年東京帝国大学西洋哲学科卒業。その学問的関心は,はじめ宗教的合理性の追求にあり,認識論や現象学など哲学一般の問題であったが,在学中の兵役体験などから社会的なものに移り,ディルタイからマルクス主義の研究へ進み,《ヘーゲル及弁証法研究》誌を主宰,32年には戸坂潤,岡邦雄らと唯物論研究会を組織,《唯物論研究》の編集責任にあたり,反動的な観念論や日本哲学説への科学的批判を展開した。しかし当局の思想弾圧をうけ,郷里の先輩,医史学者富士川游のすすめで,日本哲学思想史ならびに科学・技術史の研究と著述活動に専念,《日本哲学全書》《日本科学古典全書》など基本史料の集大成のほか,《技術史》や《三浦梅園の哲学》など開拓的労作をのこした。…
…そして,非合理的な国家主義,日本主義が台頭し,ファシズム体制が強化される時代のなかで,哲学を〈思想の科学〉としてとらえ,それを社会に対する科学的〈批評〉として働かせる〈クリティシズム〉の確立を目ざした。1932年〈唯物論研究会〉を創立し,雑誌《唯物論研究》を創刊して,多彩な批評活動を行うとともに,自然科学と社会科学を世界観的に統一する科学方法論の課題を追求したが,やがて38年唯物論研究会は解散を命ぜられ,みずからも治安維持法違反で検挙された。その後も志を曲げず時代と戦ったが,44年9月に下獄,太平洋戦争敗戦直前の45年8月に獄死した。…
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