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人民戦線事件 じんみんせんせんじけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

人民戦線事件
じんみんせんせんじけん

1937年 12月 15日および,38年2月1日の2回にわたって,人民戦線派といわれた日本無産党日本労働組合全国評議会社会大衆党などの左翼労農派治安維持法違反で一斉に検挙した事件。1回目の検挙者は約 400人に及び,山川均猪俣津南雄荒畑寒村鈴木茂三郎向坂逸郎加藤勘十江田三郎黒田寿男稲村順三らが含まれていた (第1次人民戦線事件) 。2回目も全国に及び,有沢広巳大内兵衛美濃部亮吉脇村義太郎ら教授グループを中心として,佐々木更三を含む 38人が検挙された (第2次人民戦線事件) 。

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デジタル大辞泉の解説

じんみんせんせん‐じけん【人民戦線事件】

昭和12年(1937)から翌年にかけ、人民戦線結成を企てたとして、加藤勘十・大内兵衛ら日本無産党や労農派の関係者400余名が検挙された事件。

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百科事典マイペディアの解説

人民戦線事件【じんみんせんせんじけん】

1937年12月の左翼弾圧事件。反ファッショ人民戦線の活動をしたという理由で,日本無産党加藤勘十社会大衆党の黒田寿男ら約400名が検挙され,日本労働組合全国評議会,日本無産党は結社禁止となった。
→関連項目青野季吉荒畑寒村有沢広巳猪俣津南雄宇野弘蔵人民戦線鈴木茂三郎日本資本主義論争日本労働組合全国評議会美濃部亮吉山川均

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世界大百科事典 第2版の解説

じんみんせんせんじけん【人民戦線事件】

日中戦争開始後の,反ファシズム人民戦線運動を推進した日本無産党,日本労働組合全国評議会(全評)などに対する弾圧事件。共産主義者の組織的な反戦・反ファッショ運動が弾圧で壊滅したのちも,日本無産党(委員長加藤勘十),全評などいわゆる合法左翼団体の反ファッショ人民戦線を目ざす運動が続けられた。しかし当局は1937年12月15日と翌年2月1日,日本無産党,全評の幹部およびその理論的指導者と目された労農派の学者・評論家などを全国いっせいに検挙し,12月22日日本無産党,全評を結社禁止処分にした。

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大辞林 第三版の解説

じんみんせんせんじけん【人民戦線事件】

人民戦線実現をめざす日本無産党などに対して、第一次近衛内閣が行なった左翼弾圧事件。1937年(昭和12)加藤勘十・鈴木茂三郎・山川均・荒畑寒村・猪俣津南雄など四百余名が検挙され(第一次)、日本無産党は解散。翌年、大内兵衛・有沢広巳・美濃部亮吉ら労農派教授グループなども検挙された(第二次)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

人民戦線事件
じんみんせんせんじけん

日中戦争開始後、日本無産党、日本労働組合全国評議会(全評)、労農派の関係者に対し治安維持法を適用した弾圧事件。1937年(昭和12)12月15日446名(第一次検挙)、翌年2月1日38名(第二次検挙)、計484名が検挙された。また、1937年12月22日には、日本無産党と全評が治安警察法により結社禁止となった。被検挙者の内訳は日本無産党関係265名、全評関係174名、労農派グループ34名、労農派教授グループ11名で、おもな者は加藤勘十(かんじゅう)、鈴木茂三郎(もさぶろう)、高野実、島上善五郎、黒田寿男(ひさお)、岡田宗司(そうじ)、山川均(ひとし)、荒畑寒村(あらはたかんそん)、猪俣津南雄(いのまたつなお)、向坂逸郎(さきさかいつろう)、大森義太郎(よしたろう)(以上第一次)、江田三郎、佐々木更三(こうぞう)、大内兵衛(ひょうえ)、有沢広巳(ひろみ)、美濃部亮吉(みのべりょうきち)、宇野弘蔵(こうぞう)(第二次)らである。検挙理由は、労農派が日本共産党から出生した双生児であり、また日本無産党と全評がコミンテルン第7回大会の方針に呼応して人民戦線の結成を企てたというものであった。この事件は、日中戦争開始後、共産主義者に続いて、これまでは合法的存在であった労農派、社会民主主義者にまで治安維持法の弾圧対象が拡大し、反戦・反ファッショ活動を合法的に展開することはもはや不可能となったことを示していた。裁判では、教授グループについては検察側が犯罪事実を立証できず、多くは第二審で無罪が確定。加藤・鈴木・山川らは第一審、第二審とも有罪であったが、敗戦後治安維持法が廃止されたので、1945年(昭和20)11月免訴となった。[荒川章二]
『小田中聡樹著『人民戦線事件』(『日本政治裁判史録 昭和・後』所収・1970・第一法規出版) ▽奥平康弘著『治安維持法小史』(1977・筑摩書房)』

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