啓白(読み)ケイビャク

デジタル大辞泉 「啓白」の意味・読み・例文・類語

けい‐びゃく【啓白】

[名](スル)
敬って申し上げること。特に、神仏に願いを申し述べること。法会修法ずほうのおり、趣意願意を仏に申し上げること。表白ひょうびゃく。けいはく。
経文一部分だけを読むこと。

けい‐はく【啓白】

けいびゃく(啓白)

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精選版 日本国語大辞典 「啓白」の意味・読み・例文・類語

けい‐びゃく【啓白】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「けいひゃく」とも )
  2. うやまって申しあげること。特に、神仏に願いを申し述べること。法会や修法会などのおり、趣旨や願意を仏前で述べることにいう。また、その文書やことば。表白(ひょうびゃく)。けいはく。
    1. [初出の実例]「良源闍梨啓白、以大仏導師、以知淵律師呪願」(出典:九暦‐逸文・天暦八年(954)一〇月一八日)
    2. 「高遠は長念珠を爪繰て、以大神通方便力、勿令堕在諸悪趣と、高らかに啓白(ケイビャク)してぞ居たりける」(出典:太平記(14C後)二四)
  3. 経文の一部分だけを読むこと。
    1. [初出の実例]「雖御讚嘆之儀、以啓白許一磬候也」(出典:庭訓往来(1394‐1428頃))

啓白の補助注記

「白」は漢音「はく」呉音「びゃく」だが、「啓白」は、多く呉音で「けいびゃく」と読まれたと考えられる。


けい‐はく【啓白】

  1. 〘 名詞 〙けいびゃく(啓白)〔文明本節用集(室町中)〕

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普及版 字通 「啓白」の読み・字形・画数・意味

【啓白】けいはく

啓上

字通「啓」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の啓白の言及

【表白】より

…願文は神仏に祈願する文書であるが,所領を寄進して所願を述べる寄進状形式の願文,造塔堂,造仏,写経などに際して所願を述べ供養する供養願文,施物を表示し諷誦(ふじゆ)を所願する諷誦文など多種に及ぶ。表白は,以上のような施主・願主が認める願文とは異なり,施主・願主から依頼を受けた導師あるいは表白師が,修法・法会の開白または結願に際して,本尊の宝前にて法事の旨趣を啓白(けいびやく)すること,または啓白する文をいう。すなわち,行者たる導師の心中に求める所をあらわして,本尊,大衆に知らしめるために行うのが表白である。…

※「啓白」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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