囃子物(読み)ハヤシモノ

デジタル大辞泉 「囃子物」の意味・読み・例文・類語

はやし‐もの【×囃子物】

中世芸能で、笛・鼓・太鼓などではやしながら歌舞物真似ものまねなどを行うもの。多くは、作り物風流ふりゅうを伴う。祭礼などに行われた。
狂言謡の一。1狂言に取り入れられたもの。多くは舞踊的な所作を伴う。
囃子に用いる楽器

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精選版 日本国語大辞典 「囃子物」の意味・読み・例文・類語

はやし‐もの【囃子物】

〘名〙
① 囃子をすること。また、その音楽。はやしごと。
曾我物語(南北朝頃)三「はやしものしてあそび候はん」
※師郷記‐永享一二年(1440)二月一三日「今日はやし物参内裏。巳剋許御参内、其後はやし物次第参之。〈略〉色々風流前代未聞事也」
③ 囃子ことばのはいった歌謡一種
※虎明本狂言・末広がり(室町末‐近世初)「きげんのあしひ時も、なをるはやし物がある」
④ 囃子に用いる楽器。囃子楽器。囃子道具。

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