四川[省](読み)しせん

百科事典マイペディア 「四川[省]」の意味・わかりやすい解説

四川[省]【しせん】

中国西部,長江上流の省。簡名は川,蜀(しょく)とも称す。省都は成都。地形は,中央部・東部の四川盆地と西部の青蔵高原とに大別され,平野部は気候温暖で水利よく,古来富裕の土地である。農産物では水稲産出は全国第1位,ほかに大麦,小麦,トウモロコシサツマイモサトウキビなどが多く,畜産も有名で,木材,桐油,黄白蝋,薬材などの林産物,井塩,石炭,鉄,石油,石綿,銅その他の有色金属など豊富な鉱産物がある。近代工業は成都,重慶を中心に行われ,鉄鋼,食品,化学,機械,紡績製紙などがあり,また絹織物,刺繍,綿,麻布,竹器など伝統産業も盛んである。長江本・支流水運をはじめ,成渝鉄路(成都〜重慶)・宝成鉄路(宝鶏〜成都)や,康蔵公路・成阿公路などの陸上交通も発達している。なお,重慶は周辺の地域を統合し1997年春に直轄市となった。48万8000km2。9097万人(2014)。
→関連項目黄龍四川ジャイアントパンダ保護区群

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