四文(読み)シモン

デジタル大辞泉 「四文」の意味・読み・例文・類語

し‐もん【四文】

銭1文の4倍。
安っぽいこと、少しばかりのことのたとえ。
狂歌誹諧を―ばかりもする人や」〈滑・浮世床・初〉
四文銭価値がわずかであったところから》軽々しいこと。軽率なこと。副詞的にも用いる。
「何でも―と呑み込みやした」〈滑・八笑人・二〉
四文銭」の略。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「四文」の意味・読み・例文・類語

し‐もん【四文】

〘名〙
① 一文の四倍。また、その値段やその値段のもの。明和五年(一七六八)に四文銭が新鋳され、さまざまな物の小売値が四文になった。
(イ) 長方形厚紙に印刷した柱暦の値段。
※雑俳・柳多留‐三七(1807)「一年をたった四文でいせ屋買ひ」
(ロ) 普通のだんご一くしの値段。
※雑俳・柳多留‐一三五(1834)「鬼子母神四文くんなに御困り」
② わずかな金銭、または安っぽいもののたとえ。また、数量の少ないことのたとえ。
滑稽本・浮世床(1813‐23)初「狂歌や俳諧を四文(シモン)ばかりもする人や、滝本様をごまかす人などが」
③ (多く「四文と」の形で用いる。江戸後期、四文銭が広く流通して、日常物価が四文を基準とするようになったところから) 軽率に行動することのたとえ。お節介安請合など。→四文と出る
歌舞伎傾城金秤目(1792)三番目「芸者を相手に、どうめいった斯うめいった、あんまり目さきが見えねえ、それを四文と腰をおす武兵衛さん」

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