改訂新版 世界大百科事典 「図画見聞志」の意味・わかりやすい解説
図画見聞志 (とがけんぶんし)
Tú huà jiàn wén zhì
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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中国、北宋(ほくそう)の郭若虚(かくじゃくきょ)の撰述(せんじゅつ)になる画論書。全六巻。唐末より北宋中期(9世紀なかばから11世紀)に至る画事(がじ)を記す。1081年(元豊4)ころの成立。自序があり、張彦遠(ちょうげんえん)の『歴代名画記』が唐代の841年(会昌1)までを収めているのに続けて、この年から宋代の1074年(煕寧7)までの記事を載せるといい、『名画記』を継いだもので、全編の体裁もそれに倣っている。叙論(第1巻)、紀芸(第2~4巻)、故事拾遺(第五巻)、近事(第六巻)からなる。叙論は「黄徐体の異を論ず」などの16章よりなり、なかでも「気韻は師によるにあらざるを論ず」の章は、気韻は人格の反映と説き、気韻論の研究には欠かせぬものとなっている。紀芸は画家伝で、唐末から宋代の画家292名を載せている。故事拾遺、近事は唐宋絵画の逸事を集めたものである。
[星山晋也]
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…概していえば筆すなわち線描は客観的描写を,墨は主情的表現を象徴するもので,水墨画の世界はこの筆墨二極間に成立する楕円にも比せられ,そこに多様な皴法が展開されるのである。北宋の諸家,たとえば郭若虚の《図画(とが)見聞志》はそれを落筆,皴淡,留素借地とし,総称して破墨の功といい,郭熙の《林泉高致》は筆墨の間を斡淡,皴擦,渲,刷,捽,擢,点に分け,韓拙の《山水純全集》は皴払は多端で一点一画に諸家の体法のあることをいい,披麻皴,点錯皴,斫砕皴,横皴,連水皴という命名をあげている。 水墨の技法は元来山水画のものであったが,やがて人物画にも応用され,樹石を描く皴法と人物の衣文の皴法とは同一視された。…
※「図画見聞志」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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