国公有地払下げ(読み)こっこうゆうちはらいさげ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国公有地払下げ」の意味・わかりやすい解説

国公有地払下げ
こっこうゆうちはらいさげ

1980年代中期以降,日本政府は財政再建や旧国鉄の債務返済の名のもとに,国有地や旧国鉄用地を,一般競争入札で売却したが,これは政治権力者と関係企業をめぐる疑獄事件を招くと同時に,地価高騰の要因の1つにもなった。内外批判を受けて,政府は 1987年 10月,緊急土地対策要綱をまとめ,競争入札による払下げ当面見合せることとし,国鉄清算事業団が売却を予定していた旧国鉄用地7件の売却を先送りにした。さらに 88年7月の総合土地対策要綱では,国有地の処分について,都市施設,都市再開発,公共的住宅への活用に配慮し,地価を顕在化させない処分方法の検討を進めていくべきとした。そして,地価の上昇を招かない処分方法として,長期の転売禁止のほか,土地信託など土地利用と一体とする処分方策が検討された。

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