国有地(読み)コクユウチ

デジタル大辞泉 「国有地」の意味・読み・例文・類語

こくゆう‐ち〔コクイウ‐〕【国有地】

国の所有となっている土地
[類語]公有地民有地私有地共有地

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精選版 日本国語大辞典 「国有地」の意味・読み・例文・類語

こくゆう‐ちコクイウ‥【国有地】

  1. 〘 名詞 〙 国が所有している土地。官有地
    1. [初出の実例]「国有地に編入したる土地の面積が」(出典:耕地整理法(明治四二年)(1909)一三条)

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改訂新版 世界大百科事典 「国有地」の意味・わかりやすい解説

国有地 (こくゆうち)

国の所有権の認められる土地。国有地の観念は,土地について所有権が認められることのほか,国も土地所有権の主体となりうることを前提として成り立つ。日本における土地の所有権の制度は,1872年(明治5)の太政官布告50号によって確立した。国を土地所有権の主体とする法的構成については,73年の太政官布告〈地所名称区別〉が官有地の観念を用い,90年には〈官有地取扱規則〉が定められたが,これと同時に定められた〈官有財産管理規則〉は〈国ノ所有ニ属スル〉土地等を官有財産とした。国有・国有地の観念は,97年の〈北海道国有未開地処分法〉にまずみられるが,99年には〈国有林野法〉〈国有土地森林原野下戻(したもどし)法〉などが定められ,また〈河川敷ノ公用ヲ廃シタル土地ノ処分ニ関スル件〉(勅令)は,廃河川敷の扱いとの関係で,国有地の観念を用いている。さらに,旧国有財産法が制定されたのは1921年であり,国有の不動産などが国有財産とされた。

 国有地は国有財産であり,国有財産法などの適用をうける。国有地は,土地のもつ特性のゆえに,その取扱いには多くの問題があるが,国有地に関する独自の法律は存在しない。国有財産法上最も大きな比重を占めている国有財産は,国有地であろう。道路などの公共施設建設のために必要な土地は,任意買収によるほか,土地収用などの方法で取得され,国有地となることがある。なお,公有地の場合とは異なり,法制度上,国有地拡大の推進策はとられていない。

 なお,1981年3月現在,国が国有財産として管理している土地は,国土面積の約1/4を占めている(1982年版《国土利用白書》)。
入会(いりあい) →国有林
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