国家承認(読み)こっかしょうにん

百科事典マイペディア「国家承認」の解説

国家承認【こっかしょうにん】

国家の合併・併合分裂・分離独立などによる新たな国家が既存国家によって国際法の主体として認められること。そのための条件としては,まず国家としての実質(領土国民政府)が備わっていること,国際法を守る意思と能力を有していることなどがある。それが備わっていない段階で承認を与えるのは〈尚早の承認〉として不法とされる。承認の形式としては宣言や通告などの〈明示の承認〉のほか,外交使節の派遣・接受,領事認可状の請求・付与,条約の締結などによる〈黙示の承認〉がある。承認は承認国によって行われる個別的行為であるが,国際機構などの組織がこれを集団的に行う場合もあり,この場合は集合的承認と呼ぶ。例えば,EC(ヨーロッパ共同体)が1991年1月にクロアチアスロベニアに対して,および同年4月にボスニア・ヘルツェゴビナに対して行った承認などである。承認の法的意味については議論があり,これによって初めて国際法の主体として認められるという創設的効果説と,単なる宣言的な意味しかないとする宣言効果説があるが,後者の考えが有力とされる。 革命などによって政府の変更があった場合に,新政府の地位を認めることを政府承認という。

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世界大百科事典内の国家承認の言及

【国交断絶】より

…国交断絶は外交関係の断絶と同義に用いられることがあるが,経済,文化,社会等国家間の関係が全面的に断絶する場合を指す広い概念として用いられることもある。また国家承認と国交断絶とは直接関係なく,国交断絶があっても国家としての承認関係は影響を受けない(承認)。外交関係は,国家間の合意に基づいて設定される法的な関係であり,外交関係の断絶は,一方または双方が断絶の意思をなんらかの形で表示することにより生ずる。…

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