大学事典 「国際学生連盟」の解説
国際学生連盟
こくさいがくせいれんめい
通称は国際学連。114ヵ国・地域の152の学生組織からなる世界最大級の超党派的な国際的学生組織で,社会政策および教育政策における学生の利益を代表し,世界レベルで民主主義,自由,平和,発展に貢献することを目的としている。1939年チェコスロヴァキア(当時)のプラハの路上で学生たちがナチスの占領に抵抗したことをきっかけに創設された国際学生評議会を前身とし,46年に世界学生会議(WSC)に出席した43ヵ国の学生連合によってプラハに創設された。しかし,第2次世界大戦後,本連盟が共産色を強めソヴィエト連邦の外交政策を公に擁護するようになっていったことから,西ヨーロッパ諸国および共産主義に反対する国々は連盟への協力を拒み,新たに国際学生会議(ISC)と呼ばれる国際的な学生組織を1950年に結成して対抗した。冷戦終了後,国際学生連盟は共産主義系の組織を閉め出して構造改革を図ったものの,以降,今日まで続く財政難に陥り,活動はそのために半ば休止状態にあるとされる。
著者: 髙谷亜由子
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報