土場(読み)ドバ

デジタル大辞泉 「土場」の意味・読み・例文・類語

ど‐ば【土場】

床を張らないで地面のまま利用する所。土間
切り出した材木一時集めておく所。また、上流から流した材木を陸揚げする所。
賭場とば」に同じ。
鎌倉の借元の大将武蔵野の―で大勝負」〈浄・矢口渡

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「土場」の意味・読み・例文・類語

ど‐ば【土場】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 床を張らないで、地面のままで場席としたところ。土間。
    1. [初出の実例]「次は茶屋見物の通り道なり。其次は土場(トハ)なり」(出典:楽屋図会拾遺(1802)上)
  3. ( 土間に直接盆茣蓙を敷くところからいうか。「賭場」とも書く ) =とば(賭場)
    1. [初出の実例]「土場といふを立て、長半博奕をして」(出典:随筆・当世武野俗談(1757)冬瓜仁右衛門)
  4. どきゅうば(土弓場)」の略。
    1. [初出の実例]「土場の桝花女おろかに射て当る」(出典:雑俳・柳多留‐九二(1827))
  5. 森林内で一時木材を集積しておく場所。また、上流から流木運搬した木材を、受け止めて陸揚げする場所。渡場(どば)
    1. [初出の実例]「是は俗に止場(ドバ)といひて、〈略〉此所に流れ来たる木呂を一と先つ堰止ておくなり」(出典:風俗画報‐二二一号(1900)人事門)

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世界大百科事典(旧版)内の土場の言及

【木場】より

…近世以前の木場では京都の堀川,木津川の木津,鎌倉の材木座などが知られる。また運材河川の中継基地などに設けられる小規模の木場は一般に土(渡)場(どば)と称し,木材生産地での木場(こば)は,丸太材を各種の用材に木造りする場所を指すことが多かった。【所 三男】。…

【貯木場】より

…木材を搬出の途中や鉄道駅・市場または工場などで,一時的あるいは長期にわたって貯材する施設。集材個所や運材の途中で木材を一時的に貯材する施設は,普通〈土場(どば)〉と呼ばれ簡単な設備があればよいが,市場や工場に設ける貯木場では,木材を長期間貯材するとともに木材を乾燥させて品質の向上を図る目的もあるので,施設も完備している。貯木場には陸上貯木場と水中貯木場がある。…

※「土場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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