土肥峠(読み)といとうげ

日本歴史地名大系 「土肥峠」の解説

土肥峠
といとうげ

土肥町土肥と天城湯あまぎゆしま上船原かみふなばらを結ぶ峠。船原峠とも。土肥山といやま川と狩野かの川の支流船原川の分水嶺となっている。標高は五七四・一メートルであるが、天城湯ヶ島町側は比較的緩斜面であるのに対し、当町側は急で昔から難所として知られている。寛政四年(一七九二)の書上(関家文書)に「東田方越吉奈村へ三里余、船原村へ三里余御座候、尤至て難所嶮岨之場所ニ御座候」とその大変さを記しており、文政四年(一八二一)宇久須うぐす(現賀茂村)方面から旅して船原越を予定していた富秋園海若子は、これまでの足の痛みを温泉でいやすと、予定を変更して船で沼津に向かっている(槃游余録)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「土肥峠」の意味・わかりやすい解説

土肥峠
といとうげ

静岡県東部,伊豆半島北西部,伊豆市土肥地区と天城湯ヶ島地区との境にある峠。船原峠ともいわれる。標高 587m。狩野川流域と西海岸を結ぶ国道 136号線と西伊豆スカイラインとの分岐点。峠の展望台からの,天城連山や駿河湾の眺めはすばらしい。また展望台付近に源頼朝ゆかりの「運試し石」がある。

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世界大百科事典(旧版)内の土肥峠の言及

【土肥[町]】より

…かんきつ類やビワなどの果樹,カーネーションなどの花卉,野菜などの園芸農業が盛んであり,土肥港を中心に沿岸漁業も行われる。土肥峠(585m)を越えて国道136号線が通じ,沼津港との間に船便もある。【萩原 毅】。…

※「土肥峠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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