地理歴史科(読み)ちりれきしか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「地理歴史科」の意味・わかりやすい解説

地理歴史科
ちりれきしか

1989年(平成1)3月告示の高等学校学習指導要領改訂によって、高等学校社会科教育であった教科「社会」が廃止され、公民科とともに新設された教科。地歴科と略称。地理歴史科は、(1)わが国および世界の形成の歴史的過程を理解させ、(2)わが国および世界の生活、文化の地域的特色を認識させることによって、(3)国際社会に主体的に生きる民主的、平和的な国家、社会の一員として必要な自覚資質を養うことを目ざした教科である。

 地理歴史科は、近現代史を中心にした世界史A(2単位)、歴史の長い流れを文化圏ごとに教える世界史B(4単位)と、世界史と同じ構成の日本史A(2単位)、日本史B(4単位)、それに現代世界の特色、人口問題などを取り上げる地理A(2単位)、資源産業、世界と日本のかかわりなどを教える地理B(4単位)の6科目で構成される。そして、世界史Aおよび世界史Bのうちから1科目、ならびに日本史A、日本史B、地理Aおよび地理Bのうちから1科目の合計2科目の4単位以上が必修である。とくに、世界史をすべての生徒に学習させる点が新しい特徴といえる。

[永井滋郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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