堂童子(読み)ドウドウジ

デジタル大辞泉 「堂童子」の意味・読み・例文・類語

どう‐どうじ〔ダウ‐〕【堂童子】

寺院で、寺内雑役に従事する童形しもべ
宮中大法会などのとき、花籠けこを配る役。蔵人くろうどおよび五位以上の公家子弟が選ばれた。

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精選版 日本国語大辞典 「堂童子」の意味・読み・例文・類語

どう‐どうじ ダウ‥【堂童子】

〘名〙
① 寺院で雑役をつとめ、とくに灌頂・落慶法会などに、花筥(けこ)を配り、探題の迎えの使者となるなどの諸事を行なう俗形の少年。また、童形の下僕。
※霊異記(810‐824)下「即ち抄を読まむとして、設を為す頃、堂童子、優婆塞、忩々(いそ)ぎ走り来て言はく」
薬師寺最勝会、興福寺維摩会、また宮中の御斎会などの勅会または、特に重要な法会などに、花筥を配ったり、探題を迎えたりする役を臨時につとめる者。四・五位の殿上人などから選ばれた。
延喜式(927)一二「凡薬師寺三月最勝会堂童子、王氏内舎人六人」

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世界大百科事典(旧版)内の堂童子の言及

【童】より

… 実際には児童の域を超えているにもかかわらず〈童形〉姿のままで生きた人々もいて,これもやはり童・童子と呼ばれた。牛車(ぎつしや)を扱った〈牛飼童(うしかいのわらわ)〉もその一例であるが,ほかには公家・武家に仕えた小舎人童(こどねりわらわ)も児童(少年)に限らず,さらには大寺院には〈稚児(ちご)〉とは別に,〈堂童子(どうどうじ)〉など〈童子〉と呼ばれる人々がおり,〈童形〉であった。また,京都の北,八瀬(やせ)の地には往古〈八瀬童子〉と称される集団があり,男女を分かたず長髪の〈童形〉姿であった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」